北海道といえば、「雪」をイメージする人が多いことでしょう。そのイメージ通り、北海道の年末年始は、年越しの準備や新年を祝うための支度に加えて「除雪」という仕事が追加されます。
とはいえ、雪の降らない年末年始も。そんな年は、みんな口々に「良い正月だ」といいます。それだけ、道民にとって「雪」が与える影響は大きいです。年末年始に道内の実家へ帰省する人も多く、雪による道路状況や交通渋滞、そして帰省時に雪による事故にさえ巻きこまれる危険性があるのですから当然ですね。
だからこそ、道民は平穏な年末年始をありがたく過ごすのです。ここでは、そんな北海道民の年末年始の過ごし方をご紹介します。
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北海道の大晦日の過ごし方
大晦日は、道内や道外の実家に帰省する人・どこへも行かず家族だけで過ごす人など様々。大晦日といえば、朝から晩まで特別番組が多く、テレビに釘付けの人も多いですね。しかし、そうはいかない人たちもいます。例えば、
ご馳走作りで忙しい女性陣
家族や親戚が集まり、ごちそうを囲むご家庭が多くなっています。そのために大事なのが、ご馳走作り。人が集まるご家庭では手間隙がかかることから、冷暗所で日持ちがする料理などは大晦日の前から作っておきます。冷暗所といっても、北海道では玄関フードが冷暗所となる冬、ビールは箱ごと冷やせて、それはそれで便利なものです。
うま煮
あらかじめ作っておくことが多い料理の一つに「うま煮」があります。うま煮は、ごぼう・れんこん・鶏肉・しいたけ・なると・さといも・こんにゃくなどたくさんの具材をしょうゆ味で煮込んだものですが、具材や味付けは地域によって異なるようです。この他に、昆布とかつおぶしでとった「だし汁」もあらかじめ作っておくことで、年越しそばや、茶碗蒸しを作るときの手間が省けます。
おせち料理
また、おせち料理をインターネットで注文して取り寄せるご家庭や、おせち料理の変わりに、家族の好きな揚げ物やお寿司などをテーブルに広げるご家庭も。年越しそばに関しても、除夜の鐘とともにそばを茹で、家族揃っていただくご家庭もあれば、市販のカップそばで十分と考える人もいます。おせち料理に関しても、「おせち料理は大晦日に」と考える人もいれば「おせち料理は年を越した新年に」と考える人など様々です。それは北海道に限らず、全国的に同じことがいえるでしょう。
大晦日の男性陣の仕事
男性陣は雪が降れば除雪をし、神棚にお神酒を上げます。除雪のお手伝いを子供たちがするご家庭も多く、特に成長した男の子は帰省先でも重宝がられる傾向にあります。
また、寒い地域なので、ポータブルストーブの灯油を足すことや、ストーブに上げておく「やかん」の水足しなども忙しい女性陣に変わって男性が行う作業の一つ。
子供達の大晦日の過ごし方
子供たちは、市販で売られている小ぶりの木に繭玉を括り付け、室内に飾ります。しかし、こんな光景が北海道の至るところで見られるわけではなく、時代の変化と共にお正月の過ごし方にも変化が現れています。
とはいえ、一年を締めくくる日である大晦日、それは多くの人にとって特別な日なのは同じでしょう。大雪の中、身内の人たちと総出でする除雪でさえ、お正月の良い想い出となるのです。除雪の後にソリ滑りをする子供たちや、大きくなった子供たちが雪合戦をするなどといった光景も目にします。
カウントダウンで年末年始を
北海道民の年末年始の過ごし方は、この他に「カウントダウンライブ」や、スキー場でのカウントダウンなど、過ごす場所は様々です。温泉宿や、ホテルで年末年始を過ごす人も多くなっています。そのため、温泉宿やホテルでも年末年始ムードを楽しむ様々なイベントが開催されています。上げ膳、据え膳の年末年始は、多くの人にとって、特に女性にとっての憧れでしょう。
年末年始の遊び
年末年始の遊びとしては、「花札」や「麻雀」などを家族で楽しむ人たちも。中でも下の句かるた(別名:板かるた)は北海道ならではの遊びです。
下の句かるた
出典:深ナビ
下の句かるたというと、名前の通り下の句で下の句を取る遊びでカルタに近いです。一般的に、百人一首は上の句に対応した下の句をとりますが、この下の句かるたは違います。事前に覚える必要がありません。
遊び方としては、1チーム3人でそれぞれ攻め(突手)、中間(中堅)、守り(守備)の役割が与えられます。2チーム(源・平)に分かれ、それぞれ攻め(突手)と守り(守備)が向き合うように座り、100枚の取り札を2分割した各チームの持ち札50枚を先取したチームの勝ちです。
詳しいルールはこちらに記載しておりますので、興味ある方はご覧ください。
おうちでカラオケ
それに加えて、時代の変化によって可能になった「おうちでカラオケ」といった遊び方もありますね。年老いたおばあちゃんや、おじいちゃんにとっては未知の世界だった「カラオケボックス」です。おうちに居ながら、孫の歌を聞けるといった点では、最高のお正月の遊び方だと思います。雪の中、外出しなくても済みますし、車を運転する人がお酒を我慢する必要もありません。
北海道の新年の過ごし方
口取り菓子
和菓子「口取り菓子」を北海道民の方ならご存じでしょうか。そうです、鯛・えび・かまぼこ・だて巻き・絵馬など縁起物をかたどった白あんを使った煉り切り菓子。正月に食べるお菓子の象徴でもあり、同時に正月前に神棚にお供えしておき、食べる前に下ろす「お供え物」。
子供たちは「お年玉」
新年の朝は、お雑煮とお神酒をいただき、子供たちは「お年玉」を貰う子もいますね。お年玉の金額をお友達同士で競うというのも、全国共通でしょう。子供たちにとってはお正月のお楽しみの1つ。
新年といえば「初詣」
出典:ようこそさっぽろ
そして、新年といえば「初詣」ですね。北海道内各地に点在する神社にはこの時期、たくさんの人が足を運びます。除夜の鐘と共に、暗い中、出かける人もいれば、明るくなった元旦に出かける人も。最近は、若い人達が初詣デートに来ているのを多く見かけますね。若い人達が神社に足を運ぶ、良い風習だと思います。おみくじを引く人、お守りを買う人など様々です。
新年恒例の「初売り」
道民の中には、新年恒例の「初売り」を楽しみにしている人も数多くいます。中でも、福袋は時代が変わった今も、昔と同様に人気があり、多くの人の心を弾ませてくれること間違い無し。
初詣と初売りを新年の恒例行事としている人も多くいます。新しい年を迎え、新たな気持ちで身支度をして、神社へ出向き、子供たちはお年玉を握りしめて初売りへ。そんな光景は今も昔も変わりません。
それでも、初売りの福袋の種類が増えたことには驚きを隠せませんね。衣類のお店をはじめ、電気店、文房店、ホームセンター、スポーツショップ、雑貨屋さんなど、ありとあらゆる店頭に福袋が並んでいます。大型のスーパーなどでは、抱えきれないほどの福袋を持っている人もいます。
また、外国人観光客が多くなっている北海道では、新年の初売りでも、多くの人で賑わい、初売りのスタート前から長蛇の列ができている施設もあるほどです。
みんなが一緒に楽しめるからこそ、ステキなお正月の思い出となるのですね。面白いテレビが多い年末年始ではありますが、お正月だからこそできる楽しみ方があると感じます。是非素敵な年末年始をお過ごしくださいませ。