きらら397、ななつぼし、ふっくりんこにゆめぴりか。最近は北海道米がおいしいと評判。本州に住む筆者の近所でも最近は手に入りやすくなり、好んで北海道米を食べています。
そもそもなぜ北海道のお米がここまで人気になったのでしょうか。そして、北海道のお米には何が合うのでしょうか。筆者の持論ですが、その土地の米にはその土地のごはんのお供が一番合うこともあり、北海道米には北海道の食材が一番合うと思います。
前半では、北海道のお米がここまで人気になった経緯をご紹介、次にお米に合う食材の2本柱で今回ご紹介したいと思います。
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日本におけるお米事情
米どころといえば、東北や北陸地方。特に、その代表的な米として知られるのが「新潟産コシヒカリ」。
しかし、新潟のコメにおいて、2012年度産米の食味ランキングで特A入りできない名産地が目立ったこともあり、地位が危ぶまれています。執筆時点において、米のランクの最上級特Aを獲得しているのは、魚沼産や岩船産、佐渡産、中越産のコシヒカリが挙げられます。
近年は新潟県産で大規模に作っている下越産が落ち、既存の伝統産地のランクも下落の兆候にあります。この伝統的な「コシヒカリ」産地とは富山、石川、福島、茨城、栃木、埼玉県産などが該当します。
一方で、国内有数の穀倉地帯である東北や北陸地方に代わり、北海道や九州の新銘柄の評価が急上昇中です。その証拠に「おいしいお米」を評価する食味ランキングで、2012年度の北海道・九州産の米がもっともおいしいお米「特Aランク」を多数取得しました。
- 北海道産「ゆめぴりか」:特A
- 北海道産「ななつぼし」:特A
- 福岡県産「元気つくし」:特A
- 佐賀県産「さがびより」:特A
- 熊本県産「ヒノヒカリ」、「森のくまさん」:特A
皆さんが普段食べているお米はあったでしょうか。
いまや北海道は日本一の米どころ。2012年、北海道産の米は62万1800トンと第1位。
北海道のお米が人気になった理由3点
①北海道米は値段が安い
メジャーな新潟産米などより割安のためです。というのも、北海道産は品質の問題で、新潟産コシヒカリなどよりも低価格だったため、不況で安いものを求める消費者にうけました。
②北海道米の美味しさが評価された
これまで硬くてパサパサした味になりがちでしたが、甘くてモチモチした味の「ゆめぴりか」など味にこだわった新たな米を生み出したため美味しさが評価されたといえます。景気低迷で自炊が増えたことや、高性能炊飯器の普及でコメのうまさに対するこだわりが増し、「さまざまな産地や銘柄を試したい」という客が増えたことも一因だといえましょう。
③広告に力をいれた
北海道米の優良品種「ゆめぴりか」のTVCMを都市部で大量に放映したので消費者に浸透させました。
④品種改良に力をいれた
稲作には不向きの土地でしたが、土壌の改良や、短い夏でもできる米の品種改良などで、高い品質を実現しました。
取引価格ではいまだにトップの魚沼産「コシヒカリ」への圧倒的ブランドは健在のままですが、かつてコシヒカリと人気を二分したササニシキは、「冷害に弱く作りづらい」と、農家は次々と新品種に切り替えたことが大きく北海道ブランドの浸透に寄与していったと思われます。とはいえ北海道産を含め、どの生産地も品種改良を重ねるなど、おいしい米をつくる努力をした結果が、食味評価につながっていることは事実。将来科学技術の進歩でさらに美味しい米の登場もありうるかもしれません。
では、次にそんな美味しいお米にあう、スーパーで買えるご飯のお供をご紹介したいと思います。
スーパーで買えるご飯のお供
【野菜売り場で買える?!山わさび】
みなさんがご存じのわさびはきれいな水のある地域で育てている緑色のものを想像するかもしれません、もちろん北海道でも刺身の相棒としては欠かせないのですが、北海道ではもう一つのわさびが存在します。それが、「山わさび」。
道外の方には「ホースラディッシュ」「西洋わさび」といえばなじみがあるでしょうか。スーパーで売っているローストビーフなどについているパック状のあれです。チューブで売られたりパック状になっているものはすでにすりおろされていますが、北海道では丸ごとが売られており、たっぷりとすりおろしてごはんの上に乗せます。その上に醤油を少し垂らせばごはんが何杯でもすすみます。
筆者の実家では、雪のない時期に少し残しておいて土の中に埋めて育ててまたすりおろして食べることを繰り返していますので尽きることはありません。さすがに道外では手に入りにくいので、チューブ状のホースラディッシュで代用して醤油を垂らして食べています。
【秋の風物詩、いくらの醤油漬け】
秋になると、北海道のスーパーでは当たり前のように鮭の卵が売られています。その価格、1匹分約1500円。北海道民はこれを醤油や煮切った酒を混ぜるなど家庭独自の味で醤油漬けを作り、いくらとして、朝からたっぷりと盛り付けて食べます。道外の人には贅沢かもしれませんが、北海道ではこれが当たり前。秋が来たなと、しみじみ思うのです。
ところで、その傍らにはなぜか餅を焼く網が置いてあるのです。なぜだと思いますか?
実は鮭の卵をほぐすためです。ごりごりと鮭の卵の塊をほぐすのに餅網が最適。つぶれてしまうのでは?と思うかもしれませんが、鮭の卵は弾力があり、結構力を入れてもつぶれません。
【材料を入れて混ぜるだけ、松前漬】
次にご紹介するのは松前漬。昆布とするめの細切りを混ぜてしょうゆベースのだしで漬け込んだ北海道の名物。
北海道は昆布もするめも大きさがど迫力。筆者の夫は海なし県出身なので、地元で不通に売っているするめを送ると驚き、すぐなくなったというほどの大きくて身の厚いのが特徴です。
昆布の粘りとするめのうまみがマッチしてごはんがすすむことうけあい。お取り寄せ品だと、カズノコが入ったり、いくらが入ったりと高級品の様相を呈してきます。
ところが、高級なものではなければスーパーでも手に入るんです。しかも大型スーパーなら道外でも。それは、昆布とするめの細切りが入ったセット。たいていの場合、漬け込むたれがついているので簡単に水洗いをして漬け込めば誰でも簡単に作れます。
昆布が苦手な筆者でもこれならおいしく食べられてごはんのお供だけではなくおかずの一品として食卓を彩ることができますね。
北海道民にとって鮭は切っても切れない食べ物。海産物の宝庫、北海道ですが、鮭はスーパーでは多くの面積を占めます。バブルのころに新巻鮭が家庭を飛び交い、我が家にも一冬で数本送られたこともありました。それくらい鮭は切っても切れない魚なのです。
ところが、道外で鮭というと回転ずしの人気ネタかムニエルかといったところが定番で、アレンジが難しいのが現状。そこで、今回は鮭の魅力を語りつつ道外でも役立つ料理活用法をお教えします。
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道民熱愛の鮭
札幌出身の筆者が小学校3,4年生のころ、札幌の歴史や文化を学ぶ授業がありました。副読本はその名もずばり「わたしたちの札幌」。 札幌が開拓された当時のことを学ぶだけではなく、かつて鮭の遡上が途絶えていた歴史と再び遡上させるための取り組みなど、鮭についての様々なことを学んできました。
また、音楽の時間には「約束」という歌を歌い、卵から孵化した鮭が苦労して生まれた川に戻り、子孫を残すという一生を学びます。(気になる方は「約束 鮭」で検索してみてくださいね。)
【一匹もらっても食べきれるのが鮭】
先ほど、筆者は新巻鮭を一冬で数本もらったことがあると書きました。いったいどうするんだ!?あんな大きな魚を、と思ったかもしれません。しかし、これを器用に料理してしまうのが道民です。まるで、アジの三枚おろしをするがごとく豪快にさばき、調理するのです。
ただ、新巻鮭はそのままではしょっぱいので塩水、あるいは真水で塩抜きをしてから食べることが多く、鮭の料理はさまざま。頭は正月料理の氷頭(ひず)なますに、半身はチャンチャン焼きに、あとの半身は細かく切って塩焼きしたり、クリームシチューや石狩鍋の材料に。
はたまた凍らせて半解凍させたらルイベ。卵はご存じ、いくらの醤油漬けにと本当にいかようにも活用します。鮭の文化は母から子へ、子から孫へと受け継がれていくんですね。
【切り身でもおいしくできる鮭料理】
さて、筆者のように道外に住んでいると、鮭といえば、塩鮭の切り身か脂ののった海外産のサーモンを思い浮かべます。 道内の市場などですと半身でごろん、一匹まるごとでごろんということがありますが、まずそんなことはありません。スーパーの片隅にぽつんと北海道産が置いてあるという感じ。それでもつい鮭を手にしてしまうのです。そんな事情を反映してか巷では切り身でも作れるフライパンやホットプレートで作るちゃんちゃん焼きがレシピサイトや、ぎょれん、サッポロビールさんのサイトなど様々にアップされています。 それでも量が多いというあなたには筆者流1人前からコンビニの食材で作れるちゃんちゃん焼きをご紹介します。
材料
- 鮭の切り身 1切れ
- 焼きそば用具材セット(コンビニやスーパーでカットとして売っているもの) 1パック
- <みそだれ> だし入り合わせみそ
※コンビニの小分け味噌汁のみそでも可あれば、みりんや酒(なければ水)
方法
- 少々お好みで一味唐辛子アルミホイルとオーブントースター作り方みそだれの材料を合わせて練る。硬さはマヨネーズぐらい。しゃばしゃばにならない程度のやわらかさに。
- アルミホイルの上に野菜、鮭、みそだれの順に乗せて包む。
- オーブントースターで15分ほど焼く。グリルがあればそれを使うのがベスト。
- 火が通ったら鮭をほぐして野菜とよく混ぜ合わせる いかがでしょうか。いつもの塩焼きが一味違うものになります。ごはんにもよく合いますよ。
ここまで、スーパーで比較的簡単に手に入る食材で食べられるご飯のお供を紹介しました。山わさびは道外でも回転寿司チェーンで扱われるほどポピュラーに。いくらのもとになる鮭の卵や松前漬けの素も道外では手に入りやすくなっています。あなたも気軽に北海道を感じれることでしょう。
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