映画【ニューイヤーズ・イブ】をご存知でしょうか?
1年で最もきらびやかになるニューイヤーのタイムズスクエア、そこで繰り広げられる恋愛模様を描いた物語です。そもそもニューヨークの街と言うだけでかなりきらびやかなイメージがありましたがこの映画のおかげでニューイヤーをタイムズスクエアで過ごしてみたい!
と思った人は筆者だけではないはず。しかしそんな憧れのタイムズスクエアでの年越しは想像以上に過酷でドラマのあるものでした。そこで2018年のニューイヤーズイブから習ったNYでカウントダウンするなら心しておくべきことをご紹介します。憧れの街ニューヨークでの年越しカウントダウンの実態をどうぞお楽しみください。
ニューヨークカウントダウンの参加方法
まずは基本の参加方法から。タイムズスクエアのカウントダウンに参加チケットなどはありません。ただ、行けばいいのです。もちろん誰でも参加できます。ただ大変なのは行ったあとのことです。ベストスポットと言われるメインイベント(ボールドロップ)のビルが見える場所を取るためには13時ごろまでにはタイムズスクエアに居る必要があります。その頃にはすでに人でいっぱいになっているかと思いますが15時を過ぎたら
・42th〜47thストリート
・7thアベニュー&ブロードウェイ
この2つのエリアは完全に入場ができなくなります。場所がわからずまま行ったとしてもかなりの人だかりがあるので人の流れに付いていったら到着するかと思われます。そして入場といってももちろん建物があるわけではなく地元の警察官がテープで一般道と待機場所を塞ぐのです。
そして何がそんなに厳しいかというと、1度入ったらもう出れないというところ。再入場はどんな理由であれ許されません。1度入ったら年越しが終わるまではその場で待機しなくてはなりません。
それはもちろんお手洗いに行きたい場合もしかり。トイレに行きたいから外にだしてほしいと警備のいかついお兄さんにお願いしても即答で【No】との返事が返ってくるだけです。ニューヨークのこの時期の平均気温は1度~マイナスになることも。
筆者の行った2018年の年越しはマイナス3度でした。体感温度はマイナス20度を超えていて、持ち込んだペットボトルの水が凍ってしまい1滴も飲めなくなった衝撃は今でも忘れません(水分を取ろうという気にすらならなかったのですが。)街中が巨大な冷凍庫ってところですかね。
とにかく寒さを耐えしのぐ精神力が必要になります。これはもうどんなに防寒対策をしても意味がないのではと思う程で、とにかく大切なのは忍耐力になってきます。そうして忍耐力と精神力のある人たちだけどんどん残って行くわけですが…4時間を過ぎたあたりで過半数の人達は脱落していきます。
人で溢れていた場所もこの頃になるとスカスカに…これでなぜ再入場が禁止のかぎもんに思えてきます。こんなにガラガラならば再入場くらいさせてくれ…と。とにかく参加するには忍耐力と精神力を持ち合わせる必要があります。
ニューヨークカウントダウンのイベント情報
①ボールドロップ
1907年から続く伝統あるイベント。カウントダウンのメインイベントですね。大量の紙ふぶきがニューヨークの街をキラキラ飛んでいく様はまさに圧巻。このボールドロップを見るために極寒の中、何十時間も待っていると考えると、とても感慨深いものがありますね。
②豪華有名人によるライブ
タイムズスクエアでのカウントダウンと言えば毎年豪華な有名人がライブを行うことでも有名。そろそろ寒さの限界で脱落しようかな、と思った時のこのライブは本当に心の支えになります。
実際筆者も何度も諦めて脱落しようと考えましたがその度に知っている曲が流れるおかげでグッと堪えて音楽を楽しもう!と脱落しないで済みました。音楽の力は偉大ですね。
毎年その年のホットな歌手がきてくれるので盛り上がること間違いなしです。ライブ会場が遠くても大きなモニターがあるのでどこからでも映像が見えるようになっています。せっかくだから直でみたい方は設置ステージの近くで場所取りをおすすめします。
③無料グッズの配布
夕方を過ぎると定期的に無料のカウントダウングッズが配布されます。2018年は帽子にマフラーに風船に…グッズは毎年違うようですが、いい記念にもなるので是非ゲットしてみてください。
ちなみに半分くらいの人が脱落した後なのでこのグッズをゲットできない人はいないのではないかと思います。その場にいるひとたちが同じものを持つと一体感ができあがりますね。
④カウントダウン
なにを当たり前のことを?と思うかと思いますがこれはメインのカウントダウンのことではありません。年越しのカウントダウン以外でも6時間前から1時間おきにカウントダウンをしてくれるのです。1時間おきに何か盛り上がることがあるとまだ後少し居てみよう…と言う気になってくるから不思議ですね。
ただ、最初の6時間前のカウントダウンのときは【あぁ、まだあと6時間もこの極寒を絶えねばならぬのか…】と絶望を感じる人も多いはず。
筆者はこの6時間前のカウントを聞いたときに【あぁ、もうそっぽいこと体感したし諦めてしまおうか】と思っておりました」ただ、どんどん近づいてくる時間に最後の1時間前のときにはすでに涙がでそうなほど感動したのを覚えています笑
タイムズスクエアで年越しする為の必需品
ここまでで何度も言ってきたようにニューヨークのカウントダウンは想像以上に寒く、とにかく寒さとの戦いになります。
写真のようにとにかくみんなで丸くなって固まっていた最初の1時間…途中で動かないと足が固まってしまう!と気づきひたすらジャンプしたり踊ったり…体を動かすことに専念しておりました。
そんなこんなで何よりも防寒対策が重要になってきますが、ぶっちゃけ何をしても、何を装備しても意味がないと思う程の寒さ。しかし備えないことには始まりません。極寒を何十位時間も耐え抜いた私がお勧めする必需品を紹介します。
①ホッカイロ
これは基本中の基本ですね。ただ、ホッカイロをいくら持って居ても感覚が麻痺し過ぎて本当は熱いくらいのはずのホッカイロですら触っても何も感じないくらいになります。
感覚がおかしくなっているのでホッカイロなんて意味ないじゃんと何度も思いましたが。凍傷防止のためにも必需です。
どんなに感覚がなくても何となく爪先や指先に当てているだけで凍傷防止になります。感覚がないだけで実際は暖かいものなので…ぜひ持参していきましょう。
②オムツ
先ほどもお伝えしたように、1度会場内に入ったら退出は許されません。
極寒の中12時間近くは尿意を我慢しなくてはなりません。そこでオムツを常備して行くのはとても大事。
実際できるかできないかは別として、オムツしてるからいざとなっても大丈夫、という心の安心感から余裕も生まれます。
実際筆者は12時間ほど耐え抜きましたが、前日の夜から水分をあまり取っていなかったのも幸いしてまったく尿意を感じることなく過ごしましたが念のためオムツをつけていたので安心感も違いました。会場に入場する前にオムツはつけておきましょう。
ちなみに、日本製のものはやはりクオリティが高く安心ですが海外で買ったものに関しては2枚重ねて付けておいたほうが安心です。
③大きめのブランケット・バスタオル
実際、ブランケットやバスタオルで温かさを感じることはありません。これが必要になるのはいざ尿意を感じた時です。いくら何でも使用してしまったオムツを何時間もつけっぱなしにしておくのは辛いですよね。そんな時に大きめのブランケットやタオルを腰に巻いてもむつを交換できると気持ちが晴れます。
想像したらとても恥ずかしくてできない、と思うかと思いますが、過酷過ぎる状況にいるとそんなことがどうでも良くなります。
もしくはオムツを付けていたのに失敗してしまったなんてときにも腰に巻いておけます。是非大きめのブランケットは1枚は待っていきましょう。
④ズボンの着替え
これはごく稀かと思いますが、さきほども記述しましたように、オムツを履いて居ても失敗してお漏らしをしてしまっている人を何度も見かけました。
状況が状況だけにとにかく可哀想だなぁと…そのままにしておくと凍ってしまいますし、やっぱり気分も落ちるか思うので…念のために着替えは持っていることをお勧めします。着替えが恥ずかしい場合はやはりブランケットですね。
⑤靴下の予備
どんなに靴下を重ね履きしていても意味がないくらい凍ってしまうのが足の指先。靴下自体が氷のようになってくるので予備の靴下をポケットに入れて温めておいて定期的に履き替えるだけでもだいぶ違います。重ね履きよりも履き替えが大事。
防寒グッズと呼ばれるものは基本的に意味がなくなります。どうしたら少しでも快適に過ごせるかどうかがポイントですね。
⑥暇つぶしゲーム
意外と大事になってくるのがこれ。何人かで行く人はなるべく体を使ったゲームを考えておくのがおすすめです。
何時間も待つのが暇だから、という理由ではなく、ただただ気を紛らわせるためのものですなにもなくじっと耐え抜いているだけだと時間の経過がより遅く感じてくるもので…少しでも気力を長引かせるためには必須です!
ニューイヤーズイブの実態
以上、筆者の個人的な意見で書かせていただきました。とにかくとっても寒くてつらいというのはお分かりいただけたでしょうか?想像していたキラキラしたカウントダウンとはかけ離れたものです。ただ、これを耐え抜いたときの感動は絶対に忘れない!と心から思えます。
この極寒を何十時間も耐え抜いた後の達成感は涙が出るほど感動ものなのです。年越しとは違った意味でものすごく感動します。
忍耐力と精神力に自信を持て、【これから新しい1年、ちょっとやそっとつらいことがあっても乗り切っていけるな】とすら思えてきます。
これはもう一種の修行ではないでしょうか。キラキラしたものだけを求めているかたにはお勧めできません。が、それを覚悟で行く方はぜひ!最後まで耐え抜いたときは他の何にも変えられない感動と達成感を味わうことができますよ。
筆者は人生で1度、こんな経験をしてよかったなと心から思います。勇気のあるチャレンジャーの皆様、ニューヨークのタイムズスクエアで年越しをしてみてはいかがでしょうか。