九州には美味しいものが多いといわれますが、冬はさらに美味しくなった旬のものが食べられます。今回は、九州のぜひ食べて欲しい冬グルメを、よく知られたものから珍しいものまでご紹介します!
キビナゴ
九州や四国で漁獲量が多い「キビナゴ」は、子持ちで漁獲高が多い春から初夏が旬と言われていて、「キビナゴ祭り」もこの季節に行われます。天ぷらやフライなど揚げ物にするとうまさがひきたつ時期。しかし、実はキビナゴは冬にも旬が訪れるのです。
キビナゴの菊花造り
冬のキビナゴは身の方に美味しさがあり、刺身がおすすめ。キビナゴの刺身の盛りつけは「菊花造り」と呼ばれ、見た目もとても美しいもので、刺身は醤油で食べるのが一般的ですが、鹿児島ではキビナゴを酢味噌で食べることを勧めています。青魚で鮮度が落ちるのが速いため、刺身に適した魚体はあまり県外に出回りません。鹿児島へ来た際にはぜひ食べてみてくださいね。
【所在地】鹿児島県鹿児島市名山町9-9-1
【電話番号】099-223-5771
フグ
長崎県にはトラフグの養殖量日本一の「長崎フグ」があり、福岡県では宗像市で揚がる天然トラフグのブランド「玄海トラフグ」があります。
長崎ふぐ
出典:12月の旬の魚は「トラフグ」 | 魚の美味しいまち長崎
長崎フグは、天然ものと比べてもまったく遜色がない味。800グラム以上の大きさ。ヒレの欠損がないなどいくつもの条件をクリアした魚体のみが提供されます。比較的リーズナブルに味わえることも魅力の一つですね。
玄海トラフグ
出典:ふくフェア2019
玄界トラフグは波が荒い玄界灘の波にもまれて育っており、しっかりと引き締まった身で甘みが強く、弾力のある歯ごたえが楽しめます。地元の鐘崎では、2月初旬から3月末まで「鐘崎天然ふくフェア」が開催されます。フェアに参加している飲食店。いろいろな調理法で食べられます。地元ならではの格安な価格での提供なので、ぜひ訪れてみてください!
【所在地】長崎県松浦市調川町免695
【電話番号】0956-72-1233
【所在地】福岡県宗像郡鐘崎778-5
【電話番号】0940-62-1500
ヒラメ
出典:Amazon | 築地魚群 天然 ヒラメ1尾 国産 1-1.5kg前後サイズ …
九州のヒラメは形が整っていて、引き締まった身に甘さがあるのが特徴。ヒラメの姿造りは、ヒラメの肝を刺身醤油に溶いて食べるのがおすすめ。
平戸ヒラメ祭り
出典:寒ヒラメ」を味わえる 平戸ひらめまつりへ行こう! 【楽天トラベル】
通年獲れるヒラメですが、長崎県平戸市のヒラメは冬が抜群に美味しく、毎年1月中旬から3月末日まで「平戸ひらめまつり」が開催されます。ふだん、刺身か握り寿司以外でヒラメをたくさん食べるチャンスはあまりないのではないでしょうか。
ヒラメピザ
出典:長崎【平戸】とれたての海の幸を食べ尽くそう! – 「まっぷる …
「平戸ひらめまつり」では天然ヒラメを握り寿司や刺身はもちろん、しゃぶしゃぶや丼、茶漬け、ピザまで食べられます!白身魚であるヒラメはアレンジも多彩。ぜひ一度ヒラメを味わいに平戸に行ってみませんか。
【問合せ先】0950-23-8600(平戸観光協会)
サバ
大分市の佐賀関で一本釣りで揚がる「関さば」は、全国的に知られている高級ブランド魚。
関さば
出典:大分名物『関サバ』が旨い名店は?別府湾の海の幸を刺身で食す …
丸々とした魚体に金色の部分があるのが関サバの特徴。旬は10月から3月。習熟した漁師が活〆にするため、全国で食べられるところが増えていますが、やはり寒い時期の地元で揚がったばかりの関サバは格別な旨みがあり臭みがまったくないため味が違います。ぜひ刺身で食べてみてください。「関あじ関さば館」という佐賀関の名産品・特産品を扱うお店では、関サバをリーズナブルに味わえますよ。
また、3月から旬が始まる「関アジ」とともに「関さば関あじフォア」が3月いっぱい行われます。関アジと関サバの食べ比べなども楽しめますよ。
旬サバ
出典:旬さば(ときさば) | 松浦市の観光情報サイト「松恋」
また、長崎県では「旬サバ」(トキサバ)が冬グルメとして有名。400g以上の、五島列島から対馬海峡で獲れる冬サバを旬サバという名称でブランド魚と。こちらも脂ののった、歯ごたえの良い身で刺身でも食べられます。

地元では「サバしゃぶ」が人気。
薄切りの旬サバを花びら状に広げて大皿に並べて提供されます。

あまり他の地域では提供されない料理なので、機会があればぜひどうぞ!
ごまさば
出典:博多郷土料理「ごまさば」-低温熟成無添加ひもの 博多ウエダ
福岡県の郷土料理である「ごまさば」(胡麻鯖)は、刺身よりも少し厚さを減らしたものに、すりごま・醤油・みりんを回しかけ、ワサビやショウガ、ネギなどの薬味を好みで追加する料理。

白身の魚でこのような作り方をする料理は全国にありますが、青魚では珍しい調理法ですね
サバには寄生虫がおり、生食は危険。九州で揚がるサバは、その寄生虫が刺身にする部位にはほとんど移動しないという特性があるため、刺身で食べても安全です。福岡県民は冬になると脂ののったサバをゴマサバにして堪能でき、福岡県では、居酒屋や割烹料理店で食べられます。
カキ
九州には美味しいカキがいくつも。
竹崎カキ
出典:大粒で濃厚!佐賀県・太良町で味わう絶品“竹崎カキ”|ウォーカー …
佐賀県の太良町は「カキ小屋」発祥の地。30年以上前からカキ小屋を営業していました。その太良町で獲れるカキは「竹崎カキ」と呼ばれ、1つが150グラムほどとボリュームがあってプリプリとした身が特徴。焼いた時に身が縮みにくく、塩分濃度の薄い有明海で生育しているためほどよい塩気の旨味と甘みが楽しめます。
華漣
長崎県では、「かき日本一決定戦」でグランプリを獲得した「小長井カキ華漣」や、「九十九島カキ」、「みずほカキ」など、小ぶりながらも旨味が強いカキがあります。
高鍋天然カキ
宮崎県の高鍋では希少な天然のカキが味わえます。

日向灘の海に潜って岩からはがしてくるという天然牡蠣は、養殖ガキよりも身が黄身をおびており、貝柱が大きいぎっしりと身が詰まった貝で食べ応えがありますよ。
糸島のカキ小屋
出典:福岡2日目。糸島の牡蠣小屋めぐり、夜は居酒屋行って …
カキといえば糸島!と言われるほど人気がある福岡県の糸島エリアには7つの漁港があり、合計して30軒ほどのカキ小屋があります。時期が来ると常に行列ができていて、それぞれに工夫をこらしたメニューが楽しめます。
カキ祭り
出典:九十九島かき食うカキ祭り(秋の陣・冬の陣)|イベント|【公式 …
同じ種類のマガキでも、産地によって大きさや味の特徴に違いがあり、九州各地で冬のイベントとしてカキ祭りを開催しています。ぜひ九州のカキを味わいに来てみてください!
【開催日】2月初旬の2日間
【開催地】北九州市門司区門司港レトロ中央広場
【問合せ先】093-582-2080(北九州市食の魅力創造・発信室)
【開催日】11月・翌2月に9日ずつ開催
【会場】九十九島パールリゾート
【問合せ先】0956-28-4187(九十九島パールリゾート)
【所在地】宮崎県児湯郡高鍋町大字北高鍋5198
【電話番号】0983-22-5588
竹崎カニ
佐賀県の太良町は、有明海に面しており大きな干満差が見えるため「月の引力が見える町」というキャッチコピーが有名。そんな太良町で珍重されているのが「竹崎カニ」。
竹崎カニ
ワタリガニの一種のガザミのことですが、ここで揚がるカニは特別な味わいがあるため竹崎カニという名称有明海の干潟がもたらした多種類のプランクトンや小動物が、竹崎カニを特に美味しいカニにしています。

竹崎カニは一年を通して食べられるのですが、冬の卵を持ったメスの味わいは格別です!
太良町では竹崎カニの直売所や道の駅で食べられるほか、ホテルや旅館ではさまざまな調理法の竹崎カニ尽くしが楽しめます。ズワイガニやケガニとは違う味わいをぜひ一度どうぞ!
【所在地】佐賀県藤津郡太良町大字多良4261-1
【電話番号】0954-67-0603
【営業時間】11月~3月 9:30~18:30
【定休日】11月~3月 不定休
【所在地】 佐賀県藤津郡太良町大字伊福甲3488番地2
【電話番号】0954-67-9117(道の駅太良)・0954-67-0065(太良町観光協会)
【営業時間】 9:00~1800:
【定休日】 元旦
アラ
福岡県では「クエ」のことを「アラ」と呼び、福岡県のほか長崎県など北部九州で揚がるアラが有名。

鍋の材料としてアラが有名になったのは、大相撲の九州場所の時期に、力士がチャンコ鍋の具材として食べることが多く、その美味しさから品薄になるほど買い求めたからとか。
北部九州で獲れるアラは、肉質がしっかりとしており、どちからというと脂がのった味わい。
出典:あら鍋 | 九州の味とともに 冬 | 霧島酒造株式会社
食べ方としては、ぶつ切りにした「アラ鍋」、薄切りにして「アラしゃぶ」、握りずしや刺身も楽しめます。関西ではフグよりも高価な食材としてなかなか手が出ませんが、北部九州では、手がでないほどの価格ではありません。提供している店舗が福岡県に多いので、食べるチャンスも多くあります。
平戸天然アラ鍋まつり
出典:平戸天然あら鍋まつり|世界文化遺産の島 長崎県|平戸観光協会
長崎県の平戸では11月から12月末まで「平戸天然あら鍋まつり」が開催されます。市内の宿泊施設や飲食店で本場ならではのリーズナブルな価格でアラ鍋が楽しめます。
【問合せ先】0950-23-8600(平戸観光協会)
ミズイカ
長崎県の外海(そとめ)で揚がるアオリイカのことを、地元では「ミズイカ」と呼んでいます。日本沿岸に生息するイカの中でも大型の方。50センチほどの大きさに成長し、旨味や肉質は国産のイカの中で最高水準と言われています。
そとめ水いかまつり
出典:そとめ水いか祭り|イベント|【公式】長崎観光/旅行ポータル …
外海では、冬が始まる11月がミズイカの最高に美味しい時期とされ、その時期に「そとめ水いか祭り」が開催されています。期間中は外海の飲食店で趣向をこらした「みずいか御膳」が食べられ、購入も可能です。イカの王様と言われるアオリイカの中でも、長崎県のミズイカは格別の美味しさと評判。ぜひ本場のミズイカを味わってみてくださいね!
【問合せ先】0959-24-0105(そとめ水いか祭り実行委員会)
※その年の気温などにより、開催時期が変動します。
ユウコウとゲンコウ
出典:日本の香酸柑橘 ゆず・すだち・かぼす | momina.ina // kitchen …
長崎市の土井首(どいのくび)と外海地区のみで自生している「ゆうこう」は、スダチやカボス、ダイダイなどと同じ香酸柑橘類に属しています。
ゆうこう
「味の箱舟」という、世界共通のガイドラインで認定された伝統的な固有種。旬の時期は他の香酸柑橘類よりも遅く、10月から2月。

焼き魚や肉料理に絞ると、強すぎない酸味なので味の邪魔になりません。
熟すれば、レモンのような黄色になるとザボンのような香りがし、糖度が10度以上となり果肉を食べられます。少し酸味のある口当たりの良い味がしますので、飲料などにも利用されています。
出典:佐賀産:まろやかな香酸柑橘「ゲンコウ」約2k | vegeLabo powered by BASE
「げんこう」は、佐賀県の馬渡島に自生していた香酸柑橘。現在は希少な農産物を生産する富田農園のみが栽培・販売しています。こちらも11月から春先までが旬。じょじょに糖度が高くなっていくという特徴があります。ゲンコウは、いろいろな料理にとても相性が良く、風味を引き立てる特性があり、生カキにふりかけるとレモンとは違った風味が楽しめます。

京都のミシュランガイドに掲載されている懐石料理店が、ゲンコウを愛用しているので知る人ぞ知る果物としてじわじわと人気ぶり
両方とも、なかなか入手できない希少な柑橘類なので、チャンスがあればぜひ試してみてくださいね!
【主に購入できる場所】道の駅 夕陽が丘そとめ
【所在地】長崎県長崎市東出津町149番地2
【電話番号】0959-25-1430
【生産者】富田農園※電話番号非公開
【所在地】佐賀県唐津市浜玉町
九州の冬グルメ、いかがでしたでしょうか。地元でしか食べられないものもご紹介したので、ご旅行のプランに組み入れていただければ幸いです。九州ならではの味をどうぞお楽しみください!