
福岡県筑豊エリアは、炭鉱のイメージが強い地域ですが、長崎街道「シュガーロード」が通っており、銘菓の産出地としても有名ですね。
今回は、そんな筑豊エリアの美味しいお菓子もグルメも堪能でき、美術鑑賞も炭鉱についても学べるという欲張りな筑豊エリアを車で巡る1日観光ドライブコースをご紹介します。
コース順路
小倉駅→ひよ子堂本舗穂波工場→千鳥屋本家飯塚本店→中村美術館→亀屋延永→直方市石炭記念館→大石本家→小倉駅
コース詳細

1つ目の目的地「ひよ子堂本舗穂波工場」の工場見学開始時間に間に合うように、小倉駅をレンタカーで9時15分頃に出発する設定。「ひよ子堂本舗穂波工場」へは、北九州都市高速と国道200号線を経由して約60分で到着します。
ひよ子堂本舗穂波工場 10:30~11:15
出典:ひよ子本舗吉野堂
二代目の石坂茂氏の夢に出てきたひよこを形にしたという名菓「ひよ子」。「ひよ子」の発祥地である飯塚市の工場では、ひよ子の製造工程の見学が可能です。売店は、昭和初期の飯塚本店をイメージしたものに。工場の中には「隠れひよ子」がいくつかあり、それを探すのもお楽しみの一つ。
出典:食べログ
工場見学は、ひよ子の商品開発や歴史についての説明から始まり、ひよ子の「眼」を付けるのに使われていた「目付け機」やひよ子の木型、色々な大きさのひよ子やパツケージの展示、洋菓子の新ブランドの紹介、などを見学しつつ、製造ラインの見学に進みます。
製造ラインは、餡を包むところから、ひよ子の形への成型、釜に入れての焼き(実際に釜の内部は見学できないためパネルでの見学)、目を付ける工程と進んでいくところを見学が可能。
ずらりと並んだひよ子が行進しているように進んでいくところは、可愛くてしばらく見入ってしまうほど楽しい眺め。目付け作業は自動目付機で行われ、とたんに可愛いひよ子が誕生します。

冷却するために移動して包装されるところまで、見学した後は、できたてのひよ子の試食が!焼いたばかりのひよ子は、皮は少しさっくりとして香ばしく餡はほんのり温かくて、よりおいしく感じます。甘いものが好きな方は大満足間違いなし!
年齢の制限がないため、小さなお子様も一緒に楽しめて良い思い出になるスポット。なお、工場見学では、スリッパに履き替えますので、靴下の準備をおすすめします。
【所在地】福岡県飯塚市楽市538-1
【電話番号】0948-23-0745
【見学時間】9:30~/10:30~ 2名から見学可能です。※午後の見学は実施していません。一週間前までに要予約。
【休業日】日・水曜日
【料金】無料/年齢制限なし

ひよ子堂本舗穂波工場から千鳥屋本家飯塚本店へは県道60号線を経由して10分程度で到着です。
千鳥屋本家飯塚本店 11:30~12:00
出典:ふるさとチョイス
寛永7年(1630年)創業の「松月堂」から始まった菓子店の「千鳥屋」。昭和2年(1927年)に販売を開始した、「銘菓千鳥饅頭」は、丸ボーロの中に白餡が入っている和菓子です。しっとりしている皮が日が経つとともに少しずつ固くなっていき、さくっとした食感とほろりとした口どけの餡の両方が楽しめるようになります。
チロリアン
出典:千鳥屋
千鳥屋がつく会社は複数あり、「千鳥屋本家」と「千鳥饅頭総本舗」とは、店舗展開地区と商品が重複しています。
地元の人は、店舗が違う会社だと気が付かないまま買うことも多いそうですが、関西で店舗展開している「千鳥屋宗家」は、千鳥屋のもう一つの看板商品である「チロリアン」を販売しておりません。そのため、「千鳥屋本家」は関西からの観光客の方にもおすすめのお店。
他にも、栗が丸ごと入ったパイの「博多りっちゃん」、九州独自の和菓子で栄養満点の「丸ボーロ」、産卵後2日以内の卵を使った焼き方が難しい五三焼(卵黄5・卵白3の割合)「カステラ」、どら焼きの生地をアレンジし、小豆餡を包んだ「博多金印」など、名菓が目白押し。
【所在地】福岡県飯塚市本町4-21
【電話番号】0948-22-0831
【営業時間】8:30~20:00
【定休日】元旦のみ

千鳥屋本家飯塚本店から中村美術館へは国道201号線経由で約20分です。
池のおく園(いけのおくえん) 12:30~14:00
出典:Instagub
旧三井鉱山セメント跡地に開設された「池のおく園」。中村美術館、多目的ホール美音mion、四季会席好日庵、ベルセゾン・ナカムラの4つの施設と、美しい日本庭園があります。むかし、この地域を「池のおく」と呼んでいたことにちなんで「池のおく園」と名づけられました。

今回の昼食は、こちらの「ベルセゾン・ナカムラ」でいただきます。
ベルセゾン・ナカムラ
出典:食べログ
数量限定のものもあり、旬の食材の鮮度にもこだわっているため、前日までに予約することをおすすめします。クラシックな内装が優雅な店内から庭園を眺めながら、ゆったりと食事できるでしょう。

食器に趣味のある方は、ヨーロッパの有名磁器会社のものが使われていますので、あわせてお楽しみくださいね。
【電話番号】0947-44-3473
【ランチ営業時間】11:30~15:00
中村美術館
出典:プラスフクオカ
中村美術館のコレクションには、エミール・ガレやドーム兄弟のガラス工芸、横山大観、東山魁夷、平山郁夫などの日本画、坂本繁二郎や梅原龍三郎などの洋画、北大路魯山人、加藤唐九郎などの陶磁器、600点余りのすずり等があり、約1300点の収蔵品の展示を季節ごとに入れ替えています。展示方法も美しく見ごたえがありますので、ぜひご覧ください。
【所在地】福岡県田川市大字弓削田関の山3782-1
【電話番号】0947-42-1018
【開館時間】10:00~18:00
【定休日】木曜日
【入館料】小学生・200円/中高生・300円/大学生以上・800円

中村美術館からさかえ屋平恒工場へは国道201号線経由で15分の距離。
さかえ屋平恒おやつショップ 14:15~14:30
「さかえ屋」は、粒あんにとろりとした餅を乗せ須玖式土器をかたどった最中「すくのかめ」、栗、豆、寒天など7種のみつ豆餡を入れた「みつまめどら焼」などの和菓子、南蛮船をイメージした形のスポンジ生地にジャムを挟んだ「なんばん往来」、焦がしバターたっぷり使った「贅沢フィナンシェ」などの洋菓子、ケーキ類を販売する福岡を代表する菓子店の一つ。
その「さかえ屋」のアウトレットショップが、さかえ屋平恒工場の敷地内にある「さかえ屋平恒おやつショップ」。おやつ、というだけあって、ロールケーキの端、少し形が規格から外れたシュークリーム、などの規格外品、アウトレット商品を定価の2~3割引きから半額で販売。気軽に買い求められるものばかり。

ドライブ中のおやつにもぴったり!形が少し崩れていても、美味しそうなのであれもこれもと食べたくなってしまいますが、安さにつられて買い過ぎないようご注意を!
【所在地】福岡県飯塚市平恒432-6
【電話番号】0948-22-1802
【営業時間】日曜日以外 10:00~18:00/日曜日 10:00~17:00
【定休日】1月1日・2日

さかえ屋平恒おやつショップから亀屋延永までは飯塚省内田川バイパスと国道201号線を経由して約10分で到着します。
御菓子司 亀屋延永(かめやのぶなが) 14:45~15:00
出典:楽天ブログ – 楽天市場
筑豊に来たなら、このお店は外せません。なぜなら、このお店では「黒ダイヤ」と「白ダイヤ」という炭鉱産業が栄えた筑豊エリアにちなんだ羊羹の銘菓があるからです。
「黒ダイヤ」と呼ばれた石炭を模した羊羹は、小豆と鹿児島の黒糖、寒天を使い、「白ダイヤ」と呼ばれた石灰を模した羊羹は、白いんげんと白砂糖、寒天を使って作られています。

ゴツゴツとした形も珍しく、筑豊のお土産におすすめ!
黒ダイヤと白ダイヤ
出典:OMILOG
喫茶コーナーでは、筑豊冨士と言われる「ボタ山」を眺めながら、抹茶(300円)、和菓子と抹茶のセット(530円~)、ぜんざい(420円)などをいただけます。※モデルコースでは、購入のみの滞在時間。
【所在地】福岡県飯塚市忠隈77-34
【電話番号】0948-25-6771
【営業時間】9:00~19:00
【定休日】第3木曜日

御菓子司亀屋延永から直方市石炭記念館へは国道200号線経由して30分ほどで到着します。
直方市石炭記念館 15:30~16:30
出典:いこーよ
炭鉱で栄えた地域に来たので、お勉強もいたしましょう。日本の近代化、産業発展に貢献してきた筑豊の炭鉱は「筑豊炭田」と呼ばれ、明治初頭から稼働しはじめ、昭和51年(1976年)まで合計約8億トンの石炭を産出。直方市石炭記念館は、昭和46年(1971年)に炭坑・炭鉱の歴史を伝えるために開設され、貴重な資料が多数収蔵・展示されています。
展示されている機械器具は、鉱床を探すための探鉱関係の機械から始まります。しっかりと炭坑・炭鉱について学べる施設です。屋外にはコペル32号蒸気機関車、C-1-131号蒸気機関車、坑外用電気機関車などがあり、鉄道好きの方は興味を持たれることでしょう。
【所在地】福岡県直方市直方692-4
【電話番号】0949-25-2243
【開館時間】9:00~17:00
【休館日】月曜日・12/29~1/3
【入館料】中学生以下・無料/高校生大学生・50円/一般・100円

直方市石炭記念館から大石本家までは県道40号線経由で5分ほどです。
大石本家 16:40~16:55
出典:Deskgram

直方市銘菓の「成金饅頭」は、ある青年の失敗から生まれたのだとか。
というのも、日露戦争で物資の価格が高騰すると見込んで、うずら豆を貨車何台分も買い求めたものの、その直後に戦争が終わってしまい、うずら豆の価格は高騰するどころか暴落。そこで思いついたのが、うずら豆を白餡にして饅頭を作ること。当時は炭鉱事業が盛んな時期。炭鉱で働く人々は重労働で疲れて甘い菓子類がとても好まれていたので、この饅頭が大当たりし、いっきに多くの店が作り始めた、というお話です。
出典:食べログ
この大当たりで「成金饅頭」と名付けたのか、地元の炭鉱王や鉱山機械を売って財を成した人が名付けたのか諸説あるため、今となってははっきりしたことはわかりませんが、現在も直方の方々に親しまれている銘菓であるのは間違いありません。
出典:peekaboo!
饅頭というより大きなどら焼き、といった方が分かりやすい形状をしている成金饅頭は、大きなねじり梅の焼き印が押され、どら焼きより生地がもっちり。ゆるくつぶした白餡がみっちりとつまり、かなり食べ応えがあるのが特徴。贈答用では20~30㎝の大きさ、一人用には9~11㎝ほどの大きさと、用途によっていろいろなサイズが作られています。

モデルコースでは、いくつかあるお店から大石本家をピックアップ。
こちらはインターネット通販もしていない、取り寄せたい場合は電話かファクスで注文する、小さな成金饅頭専門店。餡から生地まで手作りのため品切れすることもあるため、予約した方が確実に購入できるでしょう。店舗が「はいから通り」のアーケード内にあるので、地元の商店街の雰囲気も楽しめます。
【所在地】福岡県直方市古町17-8
【電話番号】0949-22-0170
【営業時間】9:00~18:00
【定休日】水曜日

大石本家から小倉駅までは国道200号線、県道28号線、北九州都市高速道路を経由して約40分で到着します。レンタカーを返却し、小倉駅構内へは18時頃の予定です。お疲れ様でした!
1日たっぷり使ったモデルコース、いかがでしたでしょうか。筑豊エリアを訪れる際のご参考になれば幸いです。