2月22日が何の日かご存知ですか?「ニン・ニン・ニン」の語呂合わせで、忍者の日だそうです!そして2017年2月22日に、「忍者市」宣言をした伊賀市。つまり、伊賀市が全面的に忍者を推しているんです!
となれば、伊賀市での観光は「忍者」を外すわけにはいきません。伊賀市の見どころを中心は、伊賀上野。そこで、訪れるべきスポットをご紹介します。
旅のスタートは伊賀鉄道から!
出典:伊賀鉄道(伊賀線(いがせん)伊賀上野駅
伊賀上野駅 出発
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伊賀上野の旅のスタートは、ぜひ伊賀上野駅から。マイカーやレンタカーなどで観光したいという方も多いかもしれませんが、ここはあえて電車の旅をオススメしたい!その秘密は、駅と電車にあります。JR伊賀上野駅に接続している伊賀鉄道に乗るのがポイントです。
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伊賀上野駅から町の中心部を抜け、近鉄大阪線の伊賀神戸駅を結ぶ全15駅のローカル電車。2009年から運行している忍者列車が、今や海外からの観光客に大人気。正面に忍者の顔が描かれ、側面にも忍者のイラストが!青・ピンク・緑の3色があり、車内にもこだわりがいっぱい。
出典:トラベルジェイピー
電車によって多少異なりますが、石畳をデザインした床面や手裏剣柄のカーテン。さらには網棚に忍者のマネキンがいたりと、最初は驚くかも。駅のホームなどにも至る所にマネキンやイラストなどもあり、とにかく「忍者推し」がハンパじゃない!
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この電車に乗ることで、伊賀上野の旅がさらに楽しくなること間違いなし。ただし忍者列車は運行本数が少ないので、確実に乗りたい場合は伊賀鉄道HPで時間を確認しておきましょう。
往路で忍者列車の時間が合わなければ、復路に照準を合わせましょう。1日フリー乗車券はありますが伊賀上野駅では発売していないため、回数を乗らないのであれば都度払いの方が安い場合があります。
上野市駅 到着
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伊賀上野観光の大半は、この駅周辺に集中しています。伊賀市なのになぜ上野市駅なのか、と観光客は少し混乱してしまうかもしれません。元々三重県上野市でしたが、2004年11月1日に上野市を含む6市町村が合併し、伊賀市という新しい市が誕生しました。おそらく地元の方が慣れ親しんでいることや、駅名を変えることで莫大な費用がかかるなどの意見もあるようです。
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それはともかく、観光の核となるこの駅に着くことが重要です。ちなみに忍者列車のグッズは、こちらの駅で購入できます。伊賀流忍者博物館は9:00開館なので、たっぷり見学したい場合は列車の時間に注意が必要です。
【伊賀上野観光のポイント】
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効率的に伊賀上野観光を楽しむなら、レンタサイクルを利用するという手があります。伊賀鉄道茅町駅では無料で借りられます。ただし台数に限りがあり、予約はできません。上野市駅近くであれば、徒歩1分の所にある石田サイクル丸之内店で有料ですが借りられます。じっくり歩き旅か、スイスイ自転車旅か。目的にあった楽しみ方で廻ってみて下さい。
見どころの中心 上野公園
<上野市駅から徒歩約5分>
伊賀上野城
出典:伊賀上野観光協会
伊賀上野を象徴する白い三層の城郭。春にはソメイヨシノ約800本が咲き誇り、城と桜の競演で美しさも倍増。1608年に藤堂高虎により築城されましたが、五層の天守閣を建設中の1612年に起きた暴風雨により倒壊してしまいます。石垣と内堀は当時のままですが、現在の天守部分はは1935年に復元された木造三層の大天守と二層の小天守からなる複合式天守。
出典:360@旅行ナビ
復元にあたっては、この地出身の政治家であった川崎克氏の尽力がありました。所蔵していた自らの古美術品を売却して資金を調達し、多くの支援者の協力を得て復元に至ったそうです。「伊賀文化産業城」と名付けられましたが、一般的には伊賀上野城の名で親しまれています。
内部は資料館となっており、藤堂藩ゆかりの武具や甲冑・調度品などを収蔵・展示公開しています。最上階の天井には、横山大観や著名な画家などが描いた書画がはめ込まれています。さらに、眼下には町が一望できる展望台にもなっています。
出典:毎日新聞
天守部分に目が行きがちですが、この城のすごいところは実は高石垣。高さは30mもあり、日本でも指折りの高さを誇っています。その見事さを、じっくりと見ていってください。
伊賀流忍者博物館
出典:伊賀ポータル
伊賀上野を訪れる多くの方が、ここを目的としていることかと思います。ここ伊賀や、滋賀県甲賀地方で発達した独自の兵法が忍術。伊賀地方では、古くから火薬の調合や秘薬の製造などを行っていました。その作り方は門外不出で、製造方法を書き留めた巻物を狙い賊の侵入が度々あったそうです。
それに対抗するための自衛策として、室内の至る所に仕掛けやカラクリを設けたそうです。賊が手間取っている間に、巻物を隠したり持ち出して逃げる時間を稼いでいたようです。ところで、忍者と聞いてどんなことが思い浮かびますか?
忍術の使い手となる忍者がどのような生活をし、一体どんな忍術を操るのか。時代劇で見たことがある、そんなイメージしかないという方も多いと思います。ここでは様々な仕掛けやカラクリを、実演を交えながら詳しく紹介しています。
【伊賀流忍者屋敷】
出典:トラベルジェイピー
現在の伊賀市高山にあった民家を移築した屋敷を利用し、外観は至って普通の茅葺きの建物。確かに今の時代からすると、古くて珍しい印象を受けるかもしれません。ここでは女性の忍者・くノ一に扮した方が、屋敷内を案内してくれます。
そこには「どんでん返し」「隠し戸」「抜け道」など、ありとあらゆる場所に仕掛けやカラクリが施されています。実演してもらうことで、より本格的な動きが見られます。あまりの見事さに、圧倒されそう!
【忍術体験館】
出典:三重観光
こちらではミニシアターの壁に設置された画面から、伊賀忍者が上野城へ密かに潜入する様子を見ていきます。そこには、誰にも気づかれずに城へ侵入して脱出するまでの様子が映し出されます。そして、作戦を実行するために使用した道具について学んだり、それらの一部を実際に使うこともできます。
本物の手裏剣をはじめ、実際に使用されていたものなど400点以上の忍具を展示しています。これだけの種類と数を揃えているのは、非常に貴重です。
【忍術ショー】
出典:ぱふぅ家のホームページ
こちらでは、伊賀忍者特殊軍団・阿修羅によるショーが楽しめます。年間1500回もの実演を行い、海外でも活動しています。ハイレベルな忍者軍団で、ダイナミックで鮮やかな動きに驚かされます。
手裏剣や刀・鎖鎌など、あらゆる忍具を駆使して行うショーは見応えも満点です。1日3~4回ありますので、事前に開園時間をHPでチェックしておきましょう。
【上野公園周辺にある松尾芭蕉関連の場所へ】
出典:伊賀市観光
伊賀上野には、松尾芭蕉に関連する施設がいくつかあります。直筆の資料や連歌・俳諧に関する資料を展示する「芭蕉翁記念館」や、現在改修工事のため非公開になっている「芭蕉翁生家」、命日の10月12日に行われる芭蕉祭の時のみ内部が公開される「俳聖殿」などがあります。
出典:サライ
特に「俳聖殿」はちょっと変わった姿をしていて、芭蕉の旅姿を表現しています。芭蕉の生誕300年を記念し、1942年に建てられたもの。木額が顔、八角形の庇は蓑と衣姿、堂は脚部、回廊の柱は杖と足を表しているそうです。芭蕉祭の際に公開されるのは、伊賀焼で造られた等身大の芭蕉座像。
出典:旅の写真帳
上野公園からは少し離れますが、門弟の庵だった「蓑虫庵」も。庵開きの際に祝いとして芭蕉が贈った「みの虫の音を聞きにこよ草の庵」の句に因み名付けられました。帰省の折によく訪れていた場所で、芭蕉の代表的な句「古池や蛙飛びこび込む水の音」の句碑も建てられています。
その他の見どころ
旧小田小学校本館
出典:DEJA VU ~いつか見た光景
1881年に建てられ、現存する小学校校舎としては三重県最古のものです。木造洋風二階建ての寄棟造りで、屋根中央にある太鼓楼や2階正面のバルコニーなどが特徴的です。
児童数の減少により1965年に廃校になりましたが、後世に残すべく貴重な存在として1975年には三重県の有形文化財に指定されました。
内部は見学ができ、木製の机やイス、足踏み式オルガンなど昔懐かしい教室の風景が見られます。他にも、古い教科書や学習用具なども展示しています。
だんじり会館
出典:たいっちゃんの雑記 – So-net
400年の歴史がある上野天満宮の秋の例祭「上野天神祭」は、毎年10月に開催されます。国の重要無形民俗文化財に指定されていて、2015年にはユネスコ無形文化遺産へも登録されました。
このお祭りでは9基のだんじりが出て、鬼面を付けた100体以上の鬼が行列を成して練り歩きます。だんじり会館では実際に巡行する3基を展示し、映像や人形などを使い祭の雰囲気や様子を紹介しています。
伊賀くみひも 組匠の里
出典:伊賀上野観光協会
1976年に経済産業大臣が定める伝統的工芸品に指定された伊賀組紐。帯締めなど和装小物として親しまれ、最近では映画「君の名は。」で物語のキーとなるアイテムとして組紐が使われていることから人気が高まっています。
2階の展示室では伊賀組紐がどのように発展してきたのか、その歴史と伝統を資料や映像を通して学べます。1階には展示即売所もあり、組紐グッズを購入できます。
出典:トリップアドバイザー
こちらでは体験も可能で、8玉の丸台を使用してキーホルダーかブレスレットが作れます。自分へのお土産に、ぜひ体験していきませんか?
ご当地グルメ
忍者うどん
出典:食べログ
上野市駅の近くにあるニカク食堂は、1917年創業の老舗食事処。忍者一色の店の名物は、伊賀越玉味噌を使用した味噌煮込みうどん。味噌に限らず、お店では伊賀米コシヒカリに伊賀黒米うどん・伊賀豚・伊賀牛など伊賀産のものにこだわった食材を使っています。
出典:食べログ
丼物や定食・麺類など、この店の味に惚れ込み何度も通うリピーターも多いそうです。その中でも、ぜひ食べていきたいのが「忍者うどん」。
手裏剣の形をした海苔がトッピングされた一見シンプルなうどんに見えますが、実はその下に秘密が隠されています。
出典:アケクレ
麺を持ち上げて下を覗くと、海老の天ぷらや焼き餅・玉子焼きなどの具材が隠れています。ひっそりと具材を潜ませているから、忍者うどん。
仕掛けだけでなく、もちろん美味しい!観光の途中でランチを挟む場合は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
伊賀肉
出典:伊賀ポータル
肉好きの間では知られた、伊賀は美味しいお肉がいただける場所。できるだけお得に食べられたら嬉しいですよね!そこでオススメしたいのが「レストランIto」です。オシャレなカフェのような外観ですが、実はデカ盛りグルメに挑戦する猛者も集まる人気店。
出典:Mのランチ
和・洋様々なメニューがありますが、伊賀肉を使ったステーキ丼やビーフカツなど、他店に比べ比較的リーズナブルに頂けます。地元の人も通うお店で、ランチタイムや土日祝は終日混雑します。伊賀鉄道茅町駅からなら、徒歩7分ほどです。
お土産
伊賀焼
出典:観光三重
国指定の伝統的工芸品でもある伊賀焼。この地方は昔から良質な陶土の産地であり、薪に適した赤松の森林が豊かであったのが焼き物の発展に繋がっています。
17世紀初め頃には、茶の湯の道具として利用されていた歴史があり、おもに伊賀市や名張市で生産される陶器を指して言います。
出典:伊賀焼振興協同組合
派手な色合いではなく、素朴な和の趣と温かみを感じさせます。シンプルな形や色合いの渋さが、海外の観光客にも人気です。
伊賀上野駅から車で15分ほど山間に進めていくと、伊賀焼伝統産業館があります。
出典:伊賀ポータル
展示販売の他、伊賀焼の関係資料などから歴史を学べます。また陶芸体験も可能で、歩いていける距離には窯元が集中する伊賀焼の里があります。ぜひ時間があったら、こちらへもお出かけ下さい。
地酒
出典:www.shoku.pref.mie.lg.jp
伊賀市内には7つの蔵元がありますので、お酒が好きな方へのお土産に地酒はいかがですか?G7伊勢志摩サミット2016で、ワーキングディナーの乾杯酒に選ばれた大田酒造の「純米大吟醸半蔵・磨き40」。
さらに、クチコミランキングサイトなどで三重県の地酒として上位に入る中井仁平酒造場の「三重錦」や、森喜酒造場の「るみこの酒」など銘酒揃い。市内の酒販売店やお土産物店などで購入できます。
かたやき
出典:Facebook
伊賀忍者が、食料として携帯していたと言われるおせんべい。軽く持ち運びに便利で、栄養があり腹持ちもいい。ただし、堅い。その堅さは日本一とも評されるほど。
市内では製造・販売する菓子店がいくつかありますが、主なお土産物店などでも手に入ります。オススメのお店は、400年以上の歴史がある桔梗屋織居。藤堂藩御用商人として、江戸時代から続く老舗です。
出典:桔梗屋織居
一般的には円形がほとんどですが、こちらでは手裏剣型のものを販売。忍者の里・伊賀上野らしいお土産です。小麦粉と砂糖を練り合わせ、丁寧に手焼き。素朴な味わいも人気です。手裏剣として投げたくなるフォルムですが、くれぐれも投げないように!
周辺の宿泊なら
出典:r.hankyu-travel.com
伊賀上野に宿泊して、じっくり観光を楽しみたい方にオススメの宿は「ルートイングランティア伊賀上野 和蔵の宿」。城下町に溶け込むような、白と黒の色合いの外観がモダンで高級感がありますHPから予約すれば朝食無料で、大浴場も。部屋タイプによっては、客室に居ながら美しい伊賀上野城の遠望も楽しめます。
出典:津市
温泉に入りたい方には、名湯「榊原温泉」はいかがでしょうか?古くは地名を取って「ななくりの湯」と呼ばれていて、清少納言が枕草子でも謳っていることからその歴史の深さも知れます。美肌の湯とのことで、湯上り後はツルツルスベスベのお肌が期待できそう!
伊賀鉄道伊賀神戸駅から近鉄大阪線を利用し、榊原温泉口まで電車で20分~30分ほどで行けます。宿までは送迎バスが出ているので、移動もラクラクです。また同じ榊原温泉口で降りて、火の谷温泉へ行くことも可能です。こちらもバスが出ています。
近鉄を利用すれば伊勢方面や、奈良・大阪方面へも出ることができるのでアクセス面はかなりいいと言えます。車が運転できなくても、広範囲に旅が楽しめるので周遊旅にも便利です。
こんな楽しみ方も?
日帰り温泉
出典:旅色
市内にある「ヒルホテル サンピア伊賀」で、旅の疲れを癒しませんか?伊賀の中心地近郊で唯一の天然温泉が楽しめる場所で、もちろん宿泊でますが日帰り入浴OK。上野市駅からコミュニティバスを利用して行けます。
温泉はアルカリ性単純温泉で美肌の湯と言われ、大浴場は和・洋と2タイプがあり男女日替わり。内風呂・露天・サウナなどがあり、11:00~22:00まで楽しめます。
一緒にランチも可能で、レストランでは、土日祝にカレーバイキングフェアを開催。黒米・伊賀米コシヒカリと4種のカレーが用意され、お替わり自由の食べ放題です。
プチ忍者変身処
出典:WOW! JAPAN
市内7ヶ所あるお店で、忍者衣装のレンタルを行っています。本格的に忍者の里に溶け込みたいなら、忍者に変身して思いっきり楽しみましょう!
甲賀の里忍術村
もう少し足を延ばして、滋賀県にある「甲賀の里忍術村」へ行ってみるのも面白いかも。車なら30分ほどで行けます。伊賀流と甲賀流、どんな違いがあるのか探してみてはいかがでしょうか。
伊賀流忍者の本場であるが故、さまざまなものが忍者推し!ここに来たら、やはり忍者衣装を纏って徹底的に楽しむのがオススメ。
さらに美味しいグルメが食べられ、城下町や松尾芭蕉ゆかりの地として歴史や文化を学べる場所。三重県は伊勢だけではなく、こんな楽しい町もあることをお忘れなく!