小学生の頃、社会科見学で工場に行った記憶がありますか?たくさんの大人達が一生懸命働いている姿や、見たこともない大きな機械が動いている様子など、初めて見る光景にワクワク。それをきっかけに仕事を決めたなんて人もいるかもしれません。
「最近ワクワクしていないなぁ」と思ったら、工場見学へ行ってみましょう!静岡県内には大手メーカーの工場がたくさんあり、見学可能な施設も。
7ヶ所を厳選してご紹介しますので、時間を作って「大人の社会科見学」しませんか?もちろん子供と一緒でも楽しめますよ!
【浜松市】うなぎパイファクトリー
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静岡県のお土産として買っておけばまず間違い無いのが、1961年に誕生の「うなぎパイ」。その味や食感は、子供も大人も一度食べればハマります!静岡県民はもとより、お土産で貰った人もまた食べたくなる不思議な中毒性があります。
スタンダードな「うなぎパイ」のほか、高級ブランデーV.S.O.P.を原料に加えた「うなぎパイV.S.O.P.」や、アーモンドをたっぷり使用した「うなぎパイナッツ入り」なども。また、静岡県産のしらすを使った「しらすパイ」、浜名湖産のすっぽんの出汁を加えて作った「すっぽんパイ」などの変わり種も。
あの「うなぎパイ」はこんな風に作られている!
出典:さんち 〜工芸と探訪
浜松にある『うなぎパイファクトリー』は、大人気の「うなぎパイ」を製造する工場。予約不要でガラス越しに製造工程を見学できる自由見学や、コンシェルジュの詳しい説明を聞きながら見学できるファクトリーツアーなどがあります。
手作業による生地作りや専用釜での焼き上げ、徹底的な検品や包装・箱詰めまで。職人による細かな作業や、安全に消費者へ届くまでの過程をじっくり見てみましょう。
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ファクトリー内にはカフェがあり、「うなぎパイ」を使ったオリジナルスイーツがいただけます。もちろん工場直売店もありショッピングも可能。見て、学んで、感じて、味わう。そしてお買い物を楽しめる。子供と一緒に、カップルで。もちろん一人でも大満足できる工場見学です。
【静岡市】STEP IN たまるや
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静岡県と言えば全国でも有数のわさびの産地。でも、伊豆でしか栽培していないと思っている方が多いのでは?実は、静岡市の中心部から車で1時間ほどの有東木がわさび栽培発祥の地。江戸時代に、山に自生していたわさびを渓流の清水で栽培し現在に至っています。その後、伊豆でも栽培が始められるように。
有東木は標高600mほどの小さな集落で、50軒ほどのわさび農家があります。集落内にある「うつろぎ」では、わさびをはじめお茶や農産物などの販売と、地元のお母さん方が作るおいしい定食をいただくことも。
わさび漬けはご飯のお供に最適!
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そこまで行く時間は無いけれど、静岡市内でわさびをお土産に買いたい方には『STEP IN たまるや』がオススメ。1875年創業のわさび漬けで有名な田丸屋の、工場併設のお店です。
田丸屋では発祥の地有東木と同じシズオクとも呼ばれる静岡市山間部の俵峰に、自社のわさび田を持ち栽培しています。キレイな水で育てられたわさびの選別から洗浄、細かく裁断し塩漬け。酒粕や調味料などと練り合わせて、ようやくわさび漬けができ上がります。
出典:田丸屋本店
工場ではガラス越しに、わさび漬けの製造工程を見学できます。本格的にわさびについて知識が増やせる展示室や、辛み体験室などもありますが、見学自体は15分あればOK。
その後のお楽しみと言えば、やはりショッピング!わさび漬けはもちろんわさび茶漬けにわさびのお菓子など、わさび味をこれでもかと堪能できるものが揃っています。静岡市に来たら、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
【富士宮市】アサヒ飲料富士山工場
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飲料メーカーのトップブランド・アサヒ飲料の工場が富士宮市にあります。2001年から操業を開始し、89000㎡・東京ドーム2個分もの広大な敷地を持っています。こちらでは、「アサヒおいしい水」「アサヒ十六茶」を製造しています。
工場では、ガラス越しに製品の製造工程を見学できます。まずは映像で工場について学び、実際に見学。そして工場で作られた製品の試飲もでき、2名から見学可能。もちろん無料です。
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工場で使用する水は、深さ250mの井戸から外気に触れないよう汲み上げている天然水。また、使用後の排水や飲料の製造過程で出たゴミも環境に配慮し適切に処理が行われています。そういった面も含めて、子供にもぜひ見てもらいたい施設です。
しかしながら見学を予定する日の3日前までには予約が必要で、尚且つ工場がお休みの日もありますので早めに検討するのがベスト。
十六茶に入っている植物は?
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工場敷地内には、十六茶庭園があります。2017年3月に富士山工場16周年を記念して作られ、十六茶に使われている植物が植えられています。普段飲んでいる十六茶に、こんな植物が含まれているのかと新たな発見もできますね。
定期的にイベントも開催されます。因みに毎年3月28日は、語呂合わせで三ツ矢の日だそう。見学自体は60分ほどですが、周辺には遊園地ぐりんぱや白糸の滝・朝霧高原など車で30分ほどの範囲で見どころがたくさんあります。ぜひ運良く予約が取れたら、富士山麓の観光と併せてお出かけ下さい。
【掛川市】ヤマハ掛川工場
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ピアノや音楽に携わる人、クラッシックが好きな人や工場などの現場を見るのが好きな人。どんな人でも興味津々になってしまうのが、『ヤマハ掛川工場』。2010年に浜松の本社工場から製造ラインが掛川に移転し、ピアノが造られています。
この工場では1日にグランドピアノ30台、アップライト50台が製造され、その様子をスタッフの方の説明を聞きながら見学ができます。現在では、年間1万人の見学者が訪れています。
製造には機械で行う部分はもちろん、職人の卓越した技による作業が必要です。ベテランによる確かで緻密な作業は、どんなに優秀な機械でも歯が立ちません。
日本のピアノ造りの歴史とは?
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もともとは医療機械の技師であった創業者の山葉寅楠(やまはとらくす)が、1887年に浜松尋常小学校のオルガンが壊れたため修理を行うことに。その修理が成功し、オルガンを製作することを決意。
1889年に山葉風琴製造所を設立し、1897年に日本楽器製造株式会社に。そして1987年に現在の「ヤマハ株式会社」に社名を変更しています。今では日本をはじめ世界にも誇れるブランドとなりました。
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見学の際には、ハーモニープラザと呼ばれる施設で受付を行います。併設のショールームには貴重な楽器も展示され、試すことのできる楽器も。腕に自信のある方はぜひチャレンジを!見学者にはハンマーの形のキーホルダーが、お土産としていただけます。
【裾野市】ヤクルト富士裾野工場
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富士山の見える裾野市に、ヤクルトの工場があります。こちらではドリンクタイプ・食べるタイプのジョアや、ハードタイプのヨーグルト・ソフールなどを製造しています。ヤクルトや工場に関するビデオを見てから、実際に見学。
ヤクルト製品の内容液が作られ、その内容液を容器に詰める充填作業などの製造工程をスタッフによる説明を聞きながら見学します。さらに、富士裾野工場の生産製品またはヤクルト400の試飲ができます。
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ヤクルトと言えば、乳酸菌飲料。健康のため、腸内環境改善のために普段から飲んでいる方も多いと思います。ヤクルト製品には乳酸菌シロタ株が含まれていますが、医学博士の代田稔氏が1930年に発見した菌。
胃液や胆汁などの強い消化液に耐えて生きたまま腸内に到達し、悪玉菌を退治。これを更に強化して培養することに成功し、1935年から乳酸菌飲料ヤクルトが販売されています。
健康維持に毎日飲もう!
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富士裾野工場で作られるドリンクタイプのジョアはプレーンで、トクホの表示が認められています。またカルシウムやビタミンDも含まれ、健康のためにも毎日飲んで損はありません。興味が沸いたら、ぜひ工場で見学を!1人から可能で、所要60分。前日までに電話で予約が必要で、工場が稼働する平日が基本です。
富士サファリパークや富士山こどもの国なども近いため、家族でのお出かけの際に行程に加えてみてはいかがでしょうか。
【藤枝市】明治なるほどファクトリー東海
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明治と言えば?チョコレート!もちろん正解ですが、実は牛乳やチーズなどの乳製品も製造しています。普段の生活で何気なく口にするものが、意外と明治ブランドだったりしますよね。
全国各地に工場を持ち、静岡県内では藤枝市にあります。東海工場は2017年に80周年を迎え、『明治なるほどファクトリー東海』にリニューアル。工場により乳製品の製造・お菓子の製造を行っていて、東海工場では明治アーモンドチョコレートやチェルシーなどのお菓子を製造しています。
チョコレートとカカオ豆の関係とは?
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チョコレートの原料となるカカオやチョコレート・アーモンドについて学んだり、見学用通路でBOXタイプのチョコレートの製造工程や包装など説明を聞きながら見学していきます。見学者にはチョコレートの試食もあるのですが、BOXタイプのチョコレートの製造ラインに機関車で運んできてくれると言う粋な計らい。見学後にはちょっとしたお菓子のお土産もいただけます。
チョコレートの主な原料はカカオ豆。カカオの木は日本では育たないため、輸入に頼っています。その内8割は西アフリカのガーナで、明治ではガーナ以外にも中南米や東南アジアなどの生産国から届いたカカオ豆を使用しています。
出典:60530345.at.webry.info
建物には今までに販売されたお菓子を展示していたり、カールおじさんの神社ウ・カール神社も。見学には予約が必要で、最低2名から。9名までならHPから予約ができます。大人も子供も楽しい明治の工場へ、家族みんなで出掛けてみませんか?
【御殿場市】キリンディスティラリー富士御殿場蒸留所
出典:京都東山オヤジのウイスキー日記 – ココログ
飲料メーカーのキリンではビールが有名ですが、御殿場にあるのはウイスキーの蒸留所。『キリンディスティラリー富士御殿場蒸留所』は雄大な富士を望む場所に広大な敷地があり、モルトとグレーンの2つの原酒を製造・ボトリングまで行っています。
豊富な富士の伏流水をマザーウォーターとして仕込み、多くの職人の手によって樽詰めされ熟成を待ちます。ビル10階建てほどの高さの熟成庫に入れられた樽の中身は、年月を経るほど蒸発し減っていきます。これを「天使の分け前」と呼ぶそうです。
芳醇な香りと歴史。その奥深さを知って、味わおう!
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シアターで蒸留所の歴史やウイスキーについて映像で学び、実際の製造工程を見学します。香りを楽しんだり、銅製の蒸留釜に触れることもできます。試飲は2杯まで可能で、「富士山麓樽熟原酒50°」を1杯目はハイボールで、2杯目は好きな飲み方ができます。
もう少し試したい方には、別途有料で可能のようなので確認してみましょう。アルコールが飲めない人やドライバーには、ノンアルコールチューハイやキリン午後の紅茶や生茶などのソフトドリンクもあるのでご安心を。
出典:ameblo.jp
見学後は、キリンファクトリーショップでお土産探しをしていきましょう。お菓子やタオル・付箋などのグッズや、富士御殿場蒸留所限定アイテムも。ネットでの販売は行っていないので、来た人にしか手にできません。見学ツアーはHPから予約が可能です。
東名高速道路・御殿場ICから車で約10分とアクセスも便利で、御殿場プレミアムアウトレットでのショッピングなどと併せてもいいですね。
食品から飲料に楽器まで、さまざまなものが静岡県で製造されています。実際に工場に行くことで新たな発見をしたり、知っているようで意外と知らない事実を目の当たりにするかもしれません。
大人になった今こそ、静岡県内で社会科見学をしてみませんか?子供も楽しめる施設もあるので、ぜひ家族揃ってお出かけ下さい。
※多くの工場見学は事前に予約が必要です。詳細は各工場のHPでご確認と予約の上お出かけ下さい。