日本で一番「村」が多いのが、長野県だと言う事をご存じでしょうか?長野県には77の市町村がありますが、その内約半数を占める35の村があります。
そして、村の名前の中に温泉が入るのは全国でも野沢温泉村だけ。まさに温泉に恵まれた地であり、一年を通して国内外から多くの観光客が訪れます。
そんな野沢温泉を満喫するために選びたい宿や見どころなどを、徹底的にご紹介します。
まずは野沢温泉について知ろう!
野沢温泉ってどんなところ?
出典:美肌温泉手帖
長野県北東部に位置する野沢温泉村。開湯の歴史は古いのですが、「この地を訪れた僧の行基により発見」「手負いの熊の後をつけていく途中で猟師が発見」「修行中の山伏が発見」など諸説あり、定かではありません。
それぞれの宿には工夫を凝らした大浴場や露天風呂、優れた泉質だからこそ加水や循環もせず源泉かけ流しにこだわる宿、何と言っても13ヶ所ある無料の共同浴場。
出典:温泉タビエル
ただひたすらに温泉に浸かることを目的とした旅ならば、まさにうってつけの場所。また、長野県のお土産としても定番の野沢菜漬けは野沢温泉が発祥。
ホテルや旅館の売店、温泉街のお土産物店など至る所で目にします。製造元によって味が異なるので、ぜひ試食してから自分好みのものを探してみて下さい。
野沢温泉へのアクセス
野沢温泉へは、どんな交通手段で行くべきか?もし電車ならば、最寄り駅は飯山駅。
飯山線または北陸新幹線を利用予定なら飯山駅で下車し、そこから先は直通バスの野沢温泉ライナーが便利。大人¥600・小人¥300で、所要時間は30分弱。
出典:フォートラベル
マイカーの場合は上信越道・豊田飯山ICから。関越道・塩沢石打ICからも可能ですが、高速道路を下りてから1時間近くかかります。
マイカーの場合、気を付けたいのが駐車場。村内には第1~3、中央ターミナル・中尾・新田・横落の7ヶ所の駐車場があります。
宿により無料駐車場がありますが、先着順のことが多いので事前に確認が必要です。また、必ずしも宿敷地内にあるとは限りません。
宿から離れた場所にあり、多少歩くことも。いずれにしても予約の際に確認しておくのがベスト。
野沢温泉の楽しみ方
出典:楽天ブログ – 楽天市場
湯量に恵まれ、良質の天然温泉が自慢の野沢温泉。ここでの過ごし方は、何はともあれ温泉三昧。温泉街の中には、無料の共同浴場が13ヶ所あります。
宿泊する宿にも大浴場や露天風呂があるかもしれませんが、ぜひ外湯めぐりも楽しみましょう。いずれの外湯も源泉かけ流し。
出典:フォートラベル
その中でもシンボル的な存在が「大湯」。美しい湯屋建築が目をひきます。外湯は古くから地域の人たちにも使われ、コミュニケーションの場としての役割も。
出典:GakiLife
多くの人が快適に利用できるよう、マナー・エチケットをしっかりと守って入浴してください。
また、各外湯の入口には賽銭箱があります。外湯の利用は無料ですが、周辺住民達により管理や維持・清掃などを行っています。気持ち程度をお入れ下さるよう、ご協力をお願いします。
外湯めぐりと併せて、ぜひ集印めぐりもしてみましょう。集印帳を観光案内所やお土産物店などで購入し、外湯のほか村内にある野沢菜発祥の碑や湯沢神社などに置かれている印を集めます。10ヶ所、20ヶ所以上など集めた数により岡本太郎デザインのタオルなどが貰えます。
出典:みんカラ
また、ミニ温泉広場湯らり・上寺湯・熊の手洗湯・松葉の湯・十王堂の湯では温泉たまご作りも可能。卵はお土産物店などで購入できます。
出典:髪処禅
冬になれば、野沢温泉スキー場でスキーやスノーボードを楽しむ人で賑わいます。長野県内でもトップクラスの雪質と言われ、温泉街も近いことから人気が高い場所です。
野沢温泉の見どころ
野沢温泉に来たら温泉に入るのはもちろんですが、温泉街を散策したりお土産を探したりするのも楽しいものです。その合間に観光したいと言う方に、オススメのスポットをご紹介します。
電話:0269-85-3155(8:30~17:30)
麻釜(おがま)
野沢温泉にある30以上の源泉の1つで、大釜・丸釜・ゆで釜・竹のし釜・下釜という5つの湯だまりを表すもの。
かつては刈り取った麻をこの湯だまりに浸して皮を剥き易くしていたことから、この名前が由来しています。
地元の人が野菜や卵を茹でるために利用することもあり、11月になると野沢菜を洗う光景も見られます。
100度近い熱湯が毎分500Lも湧き出すため、非常に危険です。そのため一般の人は利用できないので、周囲からの見学となります。
薬王山健命寺(けんめいじ)
1584年創建と言われる曹洞宗の古刹で、ご本尊は聖徳太子作と伝わる薬師如来像。境内には、本堂のほか薬師堂や庫裏・鐘楼などが立ち並んでいます。
ここは野沢菜発祥の地として知られ、山門前に野沢菜発祥の地碑があります。
8代目の住職が京都遊学の折、浪速の天王寺蕪の種を持ち帰りました。
これを寺内の畑に蒔いてみたところ、気候の関係か葉と茎だけが大きく育ったそうです。これが野沢菜の始まりで、健命寺産の原種は江戸時代の農耕方法で栽培している貴重なものです。
湯澤神社
出典:ameblo.jp
健命寺の西側、鬱蒼と生い茂る杉の木立の中にひっそりと建つ。ご祭神は建御名方神で、現在の社殿は1765年頃の造営と伝えられます。
拝殿の扁額は、明治の元勲三条実美の筆によるもの。また向拝に見られる見事な彫刻は、江戸中期にこの地方で活躍した越後の岩崎嘉一とその一門の作。
ほかにも樹齢1000年を超す欅の巨木や松尾芭蕉句碑なども。規模は大きくありませんが、見応えがあります。
つつじ山公園 百番観音
出典:野沢温泉 河一屋旅館
温泉街の北に続くつつじ山の麓には約5000株のつつじがあり、毎年6月上旬~下旬にかけて見頃を迎えます。
山の頂上部分は公園として整備され、温泉街やスキー場などが眺められるビューポイント。
ここに至る道の脇には板東三十三番・西国三十三番・秩父三十四番の観音霊場になぞらえたたくさんの観音石仏があります。
天気がよければ、お散歩がてらのお出かけにピッタリです。
日本スキー博物館
野沢温泉スキー場内にある、日本でも珍しいスキー専門の博物館。日本だけでなく、オーストリア・中国・モンゴルなど世界各地からも収集した豊富な資料を収蔵。
スキー発祥から現在に至るまでを、6つのパートに分けて紹介しています。中には日本に本格的な技術を伝えたオーストリアのシュナイダーが愛用していたスキーや、竹製の杖なども展示されています。
また長野県で開催された、冬季オリンピック・パラリンピック関連の資料も。スキーのことなら何でもわかる博物館です。
野沢温泉のオススメ宿
野沢温泉村にはホテル・民宿・旅館・ペンション・ロッジなど、温泉街からスキー場周辺まで大小200近くの宿があります。
出典:みんカラ
その中から目的に合った宿を探すのは大変!そこで源泉かけ流しの温泉が楽しめる宿の中から、人気が高い宿をいくつかご紹介します。
電話番号:0269-85-2056
ホテルでも温泉に入りまくりたい方に!【旅館 さかや】
客室はスタンダードな和室や次の間付き・ローベッドを備えた和洋室などがあるので、予算や好みに合わせてチョイスしましょう。
出典:フォートラベル
ここは旅館の中でも湯めぐりが楽しめ、宮大工の手による伝統的な湯屋建築で造られた大浴場・鷹の湯や「あつ湯」「ぬる湯」「腰湯」と温度の異なる3つの浴槽がある大浴場・月の湯、さらには露天風呂に予約制の貸切風呂まであります。
もちろん、自家源泉の硫黄泉をかけ流し。それでも物足りない方は、すぐ近くに外湯の大湯があります。温泉を楽しむことを重視したい方に、ぜひ2泊以上でオススメします。
ノスタルジックな雰囲気に浸りたい方に!【村のホテル 住吉屋】
明治2年創業の老舗旅館で、麻釜のそばにあります。到着すると館内の至る所に明治から大正の上品な佇まいを感じて、ホッと寛げる空間が広がります。
出典:フォートラベル
自慢の温泉は、敷地内2ヶ所から湧出する90℃のナトリウム・カルシウム硫酸塩泉。加水せず風で冷まして適温にしてから湯船にかけ流しているため、新鮮で純度の高い温泉。
出典:世界宿文化研究学会
鮮やかな色合いのステンドグラスと、床や浴槽に用いたタイルに大正ロマンを感じさせます。チェックアウト後も、当日なら温泉を無料で利用できるのでスキーや観光後にも便利です。
一人旅でも温泉を満喫したい方に!【野沢温泉ホテル】
出典:フォートラベル
和室・和洋室・洋室と、客室タイプのバリエーションが多い宿。仕事終わりに出掛ける予定なら朝食付き、一人旅なら素泊まりと、日にちにもよりますがあらゆるシーンにも対応してくれます。さらに野沢温泉の宿でも数少ない露天風呂付き客室も。
出典:フォートラベル
温泉は男女別の大浴場のほか、時間帯により男女入れ替えになる2ヶ所の露天風呂、先着8組のみ利用できる無料の貸切露天風呂、さらに玄関前に足湯や飲泉も。
いずれも良質の源泉を100%使用。地元で採れた旬の素材を使用した食事も好評で、毎年女将が手作りするという野沢菜も味わえます。
思い出に残る記念日の旅に!【野沢グランドホテル】
出典:ゆこゆこ
1つの宿で2つの源泉のお風呂が楽しめる宿。温泉街を一望できる展望露天風呂には真湯の源泉をかけ流しで、洗い場に畳を敷いた男女別の展望大浴場には麻釜の源泉を使用。
さらに有料ですが貸切露天風呂もあり、こちらも展望大浴場と同じく麻釜源泉。ただし貸切露天風呂は降雪状況により利用できないことがありますので、冬季の宿泊はご注意下さい。
客室は和室・洋室のほか、特別室や露天風呂付き客室も。食事には信州産和牛を使ったプランもあり、ちょっと贅沢したい記念日の旅行などにもピッタリです。
温泉にこだわる女子旅に!【湯宿 寿命延(じょんのび)】
宿名の「じょんのび」には、長野・新潟県境周辺で使われるゆっくり・リラックスなどの意味があるそうです。
男女別の大浴場、半露天・洞窟風の貸切風呂2ヶ所で滞在中好きなだけ温泉が楽しめます。男性用には、泉質の優れた麻釜の源泉をかけ流しで使用。
特に女性用の大浴場は湯船の底から湯が湧き出しているので、空気に触れない純度の高い温泉が全身を包んでくれます。
品数が多く、舌も目も満足させてくれる創作和食の夕食も宿の人気が高い理由の1つ。客室は和室のほか畳にベッドを配した和風ツインもあるので、布団が苦手な方も安心。
とにかく大きな浴槽で浸かりたい方に!【常盤屋旅館】
出典:何でもない旅の記録
創業は寛永年間(1624~1644年)と伝わる老舗旅館。風格漂う建物へ一歩足を踏み入れると、明治・大正期の写真や資料が多数展示されているロビー。
常磐屋旅館300年以上の歴史をヒシヒシと感じます。客室は寛げる和室が中心。
「光明皇后様の千人風呂」は、天然痘が猛威を振るっていた奈良時代の頃に身分の区別なく1000人もの人たちに風呂を提供した光明皇后様に因んだ大浴場。
出典:まぐろぐ
適温の寝湯・ぬる湯・あつ湯があります。「子宝薬師の湯」は館内にある子育観世音をお参りし、この湯に入ると子宝に恵まれると伝わる霊験あらたかな湯。
それぞれのお風呂は男女入れ替え制。美肌効果の高い単純硫黄泉で、湯上がりはお肌ツルツルに。
温泉と猫に癒やされたい方に!【桐屋旅館】
温泉街の中心部から離れますが、麻釜は徒歩圏内の立地。ここには5匹の看板猫がいることでも有名。
出典:ameblo.jp
館内や屋外などを自由に行き来しているので、ご機嫌がよければ近くに寄ってくることも。撫でられるのが好きな猫ちゃんもいるそうですよ。
出典:フォートラベル
温泉は敷地内から自噴する2種類の源泉があり、明るく清潔な大浴場でゆっくりと。客室は和室・和洋室がありますが、人気なのは客室の窓から庭園が眺められる部屋。気になる方は予約の際に確認を。
夕食には「信州黄金シャモ」という長野県の地鶏をメインにした料理がテーブルに並びます。モツ煮・鍋物・天ぷらなどで味わうことができます。
これほどまでに温泉に特化した村は、野沢温泉以外には恐らく無いでしょう。宿泊する宿はもちろん、外湯も全て入るとなるとさすがに1泊では難しい。
できれば2~3泊、心と体を一度リセットするつもりで訪れてみてはいかがでしょうか?無理のない範囲で存分に、鮮度抜群の温泉をじっくりお楽しみください!
※営業時間や定休日・料金などは、お出かけ前に各施設へご確認ください。