長野県は誰もが知るそばの名産地。一年中食べられますが、実はそばにはシーズンがあります。夏と秋の年2回収穫をし、新そばや夏そば・秋そばなどと言われます。特に秋そばは収穫量が少なく、それでいて香りが高いためそば好きならこのシーズンは必食です。そこで長野県で人生最高のそばに出会う秋のおすすめイベントをご紹介します。
絶対行きたい長野県でおすすめのイベント4選
【箕輪町】赤そば花まつり
そばの花と言えば普通は白い花を想像しますが、箕輪町で栽培されているのは赤い花を付ける赤そば。
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1987年に、信州大学の氏原暉男名誉教授がヒマラヤの標高約3800mの場所から赤い花の咲くそばを日本に持ち帰りました。その後タカノ株式会社と共同で長期にわたって品種改良を重ね、深紅の花を作り出す事に成功。そのそばは『高嶺ルビー』と名付けられました。
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さらに2011年にはより赤みを増した『高嶺ルビー2011』も誕生しました。中央アルプスの麓の標高900mの場所に4.2ヘクタールの畑があり、9月下旬~10月上旬には一面が濃いピンク色の花で覆われます。
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赤そばの里は遊歩道も整備されているので、風に揺れるピンクの花の間を散策することも出来ます。イベントは9月待つですが、赤そばの里は10月上旬まで開園しています。
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イベント開催日以外は、畑の入り口にある「そば処古田の里」で完全地元産のそば粉を使用した美味しいそばがいただけます。イベント開催日は、近くの上古田公民館で提供。そば打ち名人が打った手打ちそばが味わえ、赤そば・白そばの食べ比べも出来ます。9:30~16:00までですが、そばは数量限定のため行くなら早い時間がベスト。
そのほかにも、地元産の果物や野菜・きのこ類・加工品などの販売も行っています。ぜひ珍しい色の花を付けるそばの畑にお出かけください。
開催日時:9月下旬10:00~15:00(30日は14:00まで)
開催場所:上伊那郡箕輪町中箕輪(赤そばの里)
電話番号:0265-79-3111(箕輪町役場・箕輪町観光協会)
URL:古田の里赤そばの会
【松本市】信州・松本そば祭り
出典:ココログ
県内と全国のそば打ち愛好家団体やそば処が松本に集結!開催の3日間は、松本市がそば好きたちで溢れかえります。しかも会場は国宝松本城。観光と併せて、ぜひとも訪れたいイベントです。
出典:ウォーキング松本
お堀の周辺には全国から集まった19の店舗が出て、自慢のそばを¥600前後で提供。できれば空腹で参加して、食べ比べを楽しんでください。同じくお堀の周辺には約50ものブースが並び、信州の特産品やご当地グルメの販売などを行っています。
出典:信州・松本そば祭り
期間中には、松本市中央体育館Mウィングでそば打ち名人戦・そば打ち段位認定大会も開催されます。名人戦で打たれたそばは、一口そばとして無料で配られる予定です。
イベント期間中は大名町の商店街が歩行者天国になり、ストリートライブなども予定されています。もしイベントの期間中の訪れることが出来なくても、秋には松本城でさまざまなイベントが開催されます。
出典:blog.livedoor.jp – Livedoor
10月下旬〜11月中旬は1999年に復元された太鼓門の特別公開、菊花展、少年少女武者行列など。秋は連休も多いので、ぜひ週末を利用してお出かけください。
【伊那市】五週連続!!ぶっとおしそば三昧
信州そばの発祥地と言われる伊那地域。10月~11月に新そばのシーズンを迎え、収穫量も伊那市が県内第1位。
出典:伊那市
奈良時代に修験道の開祖である役小角(えんのおづぬ)が、修行のため信濃国へやってきました。道中、伊那のあたりで村人たちから温かくもてなされたお礼にそばの実を渡したそうです。
そして厳しい気候でも収穫できるそばの栽培を伝え、村人たちが大切に守り育てていきました。その後信州全域に広まったことで、信州そばの発祥地が伊那地域と呼ばれる由縁。
出典:イーナ・ムービーズ
それだけに、ここで行われるイベントは他とは違います!秋の新そばシーズンに合わせ、五週にわたって繰り広げられます。
電話番号:0265-78-4111(伊那市観光協会内 伊那そば振興会)
URL:https://inashi-kankoukyoukai.jp/contents/archives/30153(伊那市観光協会)
第一弾 行者そば祭り
出典:Gooブログ
トップを切って行われるのが行者そば祭り。発祥の由来となった行者から付けら、焼き味噌と辛味大根をつゆに使う独特の食べ方。
出典:イーナ・ムービーズ
当日は新そばを萱の駒嶽神社へ奉納し、参加者にそばが振る舞われます。神社にはそば発祥・由来についての碑も建てられています。
イベント当日は、2000食ほどのそばが用意されますがすぐに売り切れになるほど人気。
出典:Gooブログ
地元産の野菜をたっぷり使った豚汁や、漬物・天ぷらなども。毎年たくさんの観光客で賑わうイベントです。
開催日時:10月中旬 10:00~14:30
開催場所:伊那市荒井区内の萱 内の萱スポーツ公園
第二弾 信州伊那新そばまつり
出典:みはらしファーム
地元産のそば粉を使用して作られた、せいろそば・行者そば・かけそばの3種のそばを食べられる『新そば三昧』。打ちたてのそばを食べ比べできます。
出典:伊那市観光協会
同じく地元産の旬の野菜を使った天ぷらもあるので、ぜひそばと一緒に楽しみましょう。十割か二八かを食べ比べて当てる利きそばや、そば打ち名人によるそば打ちの披露なども行われます。
会場となるみはらしファームは、そば打ちや五平餅・りんごパイなど事前に予約すれば出来る手作り体験や、ぶどう狩りやりんご狩りなどの収穫体験も可能。
さらに日帰り温泉「みはらしの湯」もあり、露天風呂からは南アルプスを一望。そばを味わう以外に、いろいろな楽しみが出来るイベントです。
開催日時:10月下旬 10:00~15:00
開催場所:はびろ農業公園みはらしファーム特設会場
第三弾 山麓一の麺街道フェスタin伊那
出典:イーナ・ムービーズ
高遠から伊那、権兵衛峠を越えて木曽へ、さらに長峰峠を超えて岐阜県の高山市へと続く国道361号線。この道は木曽街道と呼ばれ、沿線は地域独自に発展を遂げた食文化が根付いています。
出典:イナカラ
特に麺料理が多く、伊那の高遠そば・行者そば・ローメン、木曽のすんきとうじそば、高山の高山ラーメンなどがあります。イベントでは各地域の麺料理をはじめ、地元産のりんごなど農産品の販売なども行っています。
出典:ameblo.jp
開催場所は高遠城址で、ここは紅葉の名所。10月下旬〜11月上旬まで高遠城址もみじ祭りも同時開催され、さまざまな麺料理に紅葉と秋の楽しみ方として最高の組み合わせです。
開催日時:10月下旬 10:00~15:00
開催場所:高遠城址公園内特設会場
第四弾 「高遠そば」新そばまつり
出典:フォートラベル
「五週連続!!ぶっとおしそば三昧」のイベントの中でも最も長い期間にわたって行われ、高遠城址もみじ祭りと同時開催。
出典:のほほ~ん
辛味大根のおろし汁の辛みに、こんがり焼いた味噌の香ばしさが際立つ『からつゆ』と呼ばれるつゆでいただくのが高遠そば。高遠藩主だった保科正之公は、無類のそば好きであったと伝えられます。
出典:ひねもす蓼科
期間中はそんな高遠そばをはじめ、地酒の試飲販売・まつたけご飯の販売なども行われる予定。さらに高遠囃子や高遠太鼓などの郷土芸能の披露や、信州高遠藩鉄砲隊の演舞なども行われます。
高遠城址は日本100名城にも選定され、公園内には250本の楓の木がありイベント開催中はちょうど見頃に。紅葉の下で、新そばを味わえるまたとないチャンスです。
開催日時:10月下旬〜11月中旬 10:00~14:00
開催場所:高遠城址公園内高遠閣
第五弾 西春近新そば&きのこ祭り
出典:フォートラベル
「五週連続!!ぶっとおしそば三昧」のラストを飾るのは、地元の『春近そばの会』と長野・伊那きのこ王国とのコラボイベント。
10名ほどのそば職人がそばを打ち、打ちたてのそばと自慢のきのこ料理が味わえます。特にきのこの天ぷらや炊き込みご飯・きのこ汁など、会場が観光きのこ農園だけあって絶品!
出典:いこーよ
長野・伊那きのこ王国ではきのこ狩りが体験でき、採りたてのきのこを焼いて食べることも出来ます。ショップでは干しきのこやピクルス、信州名産のそばや漬物などお土産を購入することも出来ます。当日は美味しいそばや、きのこ料理を堪能できます。
開催日時:11月中旬 10:00~15:00
開催場所:長野・伊那きのこ王国
【長野市】戸隠そば祭り
出典:信州・戸隠暮らし
長野で最も有名なそばの産地で行われるイベント。戸隠地域は火山灰土で霧が発生しやすく、1日の寒暖差が大きいためそばの栽培に適した土地。この地域には30軒ほどそばを提供する店があります。イベントは10月30日(火)の前夜祭と、10月31日(水)の新そばを戸隠神社に献納する新そば献納祭の2日間。
出典:戸隠そば祭り
前夜祭では戸隠神社中社の広庭で、不要になったそば玉及び道具類のお焚き上げが16:30から行われます。新そば献納祭は、9:00から戸隠神社宝光社の特設ステージで行われます。献納そばを味わえるのは一年に一度この日だけ、しかも各店と宿で15食しか提供されません。予約制になっているので、食べられればかなりラッキー!
また10月31日(水)~11月25日(日)まで利用できる「半ざる手形」が、1冊¥2000で販売されます。1枚¥500の4枚綴りになっていて、最大4店舗で半ざるを食べ歩きが出来ます。
もし使い切れなかったら、参加土産店で1枚¥500分の金券として利用可能。さらにスタンプを4つ集めれば抽選で100人に年越しそばが当たります。
観光情報センターで販売予定なので、お祭りの参加と一緒に、ぜひそばの食べ歩きも楽しんでください。
開催日時:10月30日(火)前夜祭16:30~、10月31日戸隠そば献納祭9:00~
開催場所:前夜祭 戸隠神社中社広庭、戸隠そば献納祭 戸隠神社宝光社特設ステージ
電話番号:026-254-2888(一般社団法人 戸隠観光協会)
食べに行きたいそばの名店5選
出典:おんたけ有機合同会社
長野観光の際は、やはりそばを味わっておきたい。しかし、長野県には1100軒以上のそば店があると言われます。
出典:安曇野・大町・白馬
そばの歯ごたえやそばつゆの濃さ、添える薬味に店の雰囲気。店によってかなりの違いがあります。その中から、自分好みのそばに出会うのは至難の業。
出典:食べログ
そこで、自家栽培から行うこだわりの特に強いお店をご紹介します。数ある中から5店を厳選しましたので、ぜひ参考にお出かけください。
【小諸市】草笛総本店
小諸市の観光地としても有名な懐古園のすぐそばにあります。懐古園は、1872年の廃藩置県で廃城になった小諸城のあった場所。
出典:軽井沢ブログ
その後明治政府から買い戻され、本丸跡に「懐古神社」を祀り1926年に公園にした際に懐古園と名付けられました。実は小諸城主であった仙石秀久公とも縁がある草笛。
蕎麦を、蕎麦切りとして小諸の領民に広めたのが仙石秀久公。その13代目に当たる方と草笛の社長が友人関係で、古文書に記されていた記述を小諸蕎麦切りの伝統として受け継いだそう。
出典:ameblo.jp
浅間山麓に自社専用の栽培農場を持ち、地産地消を目指しています。人気メニューは「くるみそば」。
東御市産のくるみを丹念にすり潰して固めのペースト状にしたものを、つゆに少しずつ入れて溶かし自慢のそばにつけていただきます。
くるみの風味と甘みで、1度食べるとクセになる味わい。気をつけたいのが、そばの量。草笛のそばは1人前が約400gと、他店よりやや多め。
出典:食べログ
女性ならお腹いっぱいになる量。うっかり大盛り(メニュー表では中盛りと表記)を頼むと、約1kgに!注文は、お腹の空き具合とよく相談してからがいいでしょう。
小諸市以外に長野市・上田市・佐久市にもお店があるので、長野県に観光へ訪れた際にはぜひ味わってみてください。
【飯山市】そば処 石田屋一徹
戸狩温泉の「手打ちそばの宿 石田屋」内にあるそば店。遊休農地・荒廃農地を開墾し、江戸時代に将軍家に献上された飯山のそばを復活するべく奮闘するご主人が営んでいます。
出典:食べログ
冬には豪雪地帯になるなべくら高原に、20ヘクタールの土地を持っています。山から吹き下ろす霧と寒暖差が大きいこの地は、香りや甘みの高いそばを作り出します。
お店で提供する信州ブランド品のそば『信濃1号』を、無農薬・有機肥料で栽培。そのそばを石臼で挽き、同じく飯山の地で自家栽培するオヤマボクチをつなぎに使用。
出典:食べログ
オヤマボクチの繊維質はそばの風味を損なわず、独特のコシを生み出します。また、そばを打つ際にはブナの原生林から湧く名水・日光ゆきしみずを使用。これが、信州ぼくちそばです。
メニューはシンプルなざるそばから、信州牛ヒレステーキセットのちょっとリッチなものまで単品を含めいろいろあって迷いそう。
出典:ameblo.jp
じっくりとそばを堪能したい方は、ぜひ「手打ちそばの宿 石田屋」に宿泊して温泉と共にお楽しみください。
【茅野市】手打ち蕎麦切り 蓼山亭
茅野市の標高1100m付近に自家農場があり、播種から栽培・製粉まで全て行うこだわりの強い店。
店主はそば鑑定士1級を持ち、お店は信州そば切りの会が認定する「信州そば切りの店」。入り口には、その証拠に看板が掲げられています。
会が定義している信州そば切りとは、『そば粉は長野県産のみ』『つなぎの割合は30%以下』『そば打ちの全ての工程が手作業』の3つ。これだけでも、充分食べに行きたい気持ちにさせてくれますよね。
出典:ameblo.jp
数あるメニューから、ぜひ「十割せいろ蕎麦切り」を味わってみてください。風味豊かな十割そばは、キリッとしたそばつゆと共に添えられている岩塩や辛味大根と一緒に。
そばつゆにもこだわりが深く、鹿児島県産の枯本節や北海道利尻島産の昆布を使用するなど良質な国産品のみを厳選。
出典:食べログ
こちらのお店は、そばやつゆの風味を最大限に活かすため薬味が添えられていないのが特徴です。しっかりとしたそば本来の風味をダイレクトに楽しめます。
場所は中央道諏訪ICから車で約30分、ビーナスライン沿い。蓼科や車山高原・白樺湖などドライブに人気のエリアなので、ぜひ観光の際のランチにお出かけください。お店は落ち着いた雰囲気で、居心地もいいですよ。
【上田市】そば処倉乃
標高1200mに自社のそば畑があり、霧下でそばを自家栽培。四阿山からの湧き水で打ち、そばつゆには利尻昆布や枕崎産本鰹・土佐清水産宗田鰹などの鰹節を厳選。
信州の鎌倉と呼ばれ、観光地としても人気の高い別所温泉の近くと言うこともあり観光客も多く訪れます。数寄屋造り風の純和風のお店は、上田市都市景観賞を受賞しています。
また店内も明るい雰囲気で、カウンター席やテーブル席・小上がりなどがあり家族やグループ・一人でも利用しやすい。テーブルには、秋田杉の一枚板を使用しているのも見逃せません。
出典:食べログ
さらに上田市も認める「地産地消推奨の店」で、上田地域で生産される美味しくて新鮮な農産物を使っているホテルや飲食店・食品加工所などが選ばれます。
こちらでは、100%地粉を使った倉乃もりそば・ざるそば、地粉と北海道幌加内産のそば粉をブレンドした田舎十割そばが選べます。
出典:食べログ
いずれのメニューも限定20食なので、どうしても食べたいメニューがあれば、早い時間から出かけるのがベスト。平日限定のランチや天ざる、きのこおろしや自家製の漬物など一品メニューもたくさんあります。
珍しいのは、『そばのさしみ』。味はもちろん、短冊状やハート型など遊び心も感じられます。地酒のお供に、わさび醤油でいただくのがオススメです。
【長野市】しなの屋そば店
長野県で蕎麦を食べるなら戸隠で、そう考える観光客はきっと多いはず。確かにそば店がたくさんあり、どの店もそばやつゆに相当のこだわりがあります。
その中でもオススメしたいのが「しなの屋そば店」。自社の畑で、霧下そばを栽培。10月~11月の新そばの時期のお出かけが特にイチオシ!
風味が豊かで、しっかりとしたそばの食感と味わいが楽しめます。収穫の際には家族や親戚が総出で行い、翌年の種蒔き用は手作業で脱穀。そば以外にも、大根やネギなども栽培しています。
出典:ヒトサラ
戸隠中社の近くなので、観光にも便利なアクセス。しかし車や観光客が往来する県道36号線からちょっと脇道に入った場所にあるので、意外と穴場です。
混雑しやすいエリアからちょっと外れているため、入りやすい狙い目店。それでいて、そばにうるさい地元の人が常連と味は折り紙付。アットホームで温かい雰囲気も人気の秘密。
出典:フォト*さいころ
そばを注文すると、そば団子がサービスされるのも嬉しいです。男性やお腹ペコペコで来店する女性などは、大盛りにした方がきっと満足できますよ。
長野県内至る所にそば店がありますが、面積の広い長野県ではその土地ごとに食べ方やつゆなどが異なります。ぜひ食べ比べを楽しんでください。
長野県の秋は、人生最高の蕎麦に出会えるベストシーズンです。
※イベントは、天候や主催者側の都合により延期または中止になる場合があります。お出かけ前に必ずご確認ください。
※営業時間や定休日・料金などは、お出かけ前に各店舗へご確認ください。