私たちの日々の生活彩っている和菓子には、季節ごとに趣向凝らした細工を施し、日本独特の甘味を使用したものから、地元の素材を使用したものまで、その土地ごとに数多くの銘菓があります。今回は、古都金沢でおすすめの絶品銘菓を厳選してご紹介しましょう。
金沢銘菓の歴史
金沢は、京都や松江に並ぶ和菓子の生産が盛んな町。金沢和菓子の元祖が誰なのか、という点についてはいくつかの説があります。
- 茶の湯に大きな関心を持っていた加賀藩の藩祖前田利家が、御用菓子処の堂後屋三郎衛門に1600坪の邸宅を下賜し、その地で始めた餅菓子店を元祖とする説
- 二代目藩主利長の代に、当時の御用菓子師であった樫田吉蔵が考案した五色生菓子を元祖とする説
- 三代目藩主利常が越中井波から呼び寄せた菓子師に加賀落雁を作らせたものを元祖とする説
- 同じく利常が考案した、小堀遠州の書「長生殿」を落雁として菓子師森下屋八左衛門に作らせたものを元祖とする説などです。
いずれの説も、加賀藩とのかかわりが深いようです。利家と二代目藩主利長は千利休の弟子であり、三代目藩主利常も大茶名人である千叟千宗室(せんそうせんのそうしつ)や小堀遠州(こぼりえんしゅう)などに学びました。五代藩主綱紀は、千叟千宗室を茶道茶具奉行とするほど力を入れて、茶の湯を推奨してきました。そのため金沢の和菓子は、茶の湯の文化とともに発展してきた、といわれています。金沢和菓子は、落雁などの干菓子、饅頭、最中が主な和菓子でしたが、元禄年間には、京都から伝えられた上生菓子が作られるようになりました。
金沢和菓子の特徴
金沢和菓子は、目で楽しみ、香りを楽しみ、食感を楽しみ、食べる際の音を楽しむ、という特徴があります。これを一番感じる和菓子は、上生菓子ですが、人々が生活の中で楽しむ和菓子として、四季に合わせて金沢独特の和菓子を作っています。
春-金平糖
鯛や桃の花などに木型に砂糖を流し入れ、美しく着色したもの
夏-氷室饅頭
五代藩主綱紀の代に道願屋彦左兵衛の発案で作られた三色饅頭
緑は健康長寿、白は清浄、桃色は魔除けの意味がある
秋-干菓子
紅葉、銀杏などをかたどったもの
冬-福梅、福徳、辻占などの縁起菓子
福梅は小倉餡の最中。福徳は最中皮の中に縁起物の人形などが入れたもの。辻占は五角形の巾着包みの煎餅皮に占いを入れたもの
などが有名です。
また、金沢の和菓子は、湿度の高い気候のため、砂糖を多めに作って保存性を高めています。そのため、他の地域よりも少し甘みが強く作られています。
おすすめの金沢銘菓
生菓子消費量日本一の金沢には、銘菓が目白押しです。老舗から若い感覚の銘菓まで、おすすめの和菓子をご紹介いたします。
・長生殿(森八)
出典:恵美里と美衣奈
寛永2年(1625年) 菓子師森下屋八左衛門が創業。利常が考案し、小堀遠州の直筆の「長生殿」と彫った木型を使用して作った落雁菓子で、日本三大銘菓の一つとされています。紅白の組合せで売られており、徳島の阿波和三盆糖、北陸産のもち米粉を使用し、紅色の落雁にはベニバナの天然色素を使用しています。
4枚入 |
1,080円(税込) |
8枚入 |
2,052円(税込) |
16枚入 |
3,996円(税込)など |
日持ち |
約30日 |
金沢市大手町10-15
TEL 076-262-6251/FAX 076-260-0881
営業時間 9:00~18:30(1・2月は9:00~18:00)
定休日 元旦・1月2日
・じろあめ(俵屋)
出典:歴史散歩とサイエンス
天保元年(1830年)創業の俵屋で作られているじろあめは、水あめのような柔らかい飴で、約四日間かけて作られています。原料は米と麦芽のみで砂糖などの甘味料も保存料も一切入っていないので、添加物が心配な健康志向の方におすすめ。
お菓子としてではなく、金沢では調味料として使っているお店もありますので、ご家庭で一度試してみるといつもと違う味が愉しめることでしょう。また、「飴ん子」というきなこ味の飴があり、ドラマで取り上げられたことから、知名度が急上昇しています。
壺入り 300g |
1,296円(税込) |
壺入り 430g |
1,836円(税込) |
壺入り 300g 梅風味 |
1,512円(税込) |
タッパー入り 1,000g |
4,104円(税込) |
日持ち |
約180日 |
金沢市小橋町2-4
TEL 076-252-2079/FAX 076-251-3525
・花うさぎ(諸江屋)
出典:落雁諸江屋
諸江屋は嘉永2年(1849年)創業の落雁の店で、花うさぎは、糒(干飯のこと)と和三盆糖を使用し、昔ながらの製法によって作られています。和紙で包んだ様子が兎に似ていて可愛いのが特徴で、口に含むとすっととけて、上品な甘さが抹茶によく合います。
15粒 巾着入り |
486円(税込) |
15粒巾着 2個入り |
1,080円(税込) |
15粒巾着3~9個入り |
1,566円~4,590円(税込) |
21粒~30粒 千代箱入り |
972円~1,404円(税込) |
日持ち |
90日 |
本店 金沢市野町1-3-59
TEL 076-245-2854/FAX 076-245-2854
営業時間 9:00~19:00
定休日 元旦
・羽二重加賀れんこん餅(越山甘清堂)
出典:Gooブログ
創業は明治21年(1888年)で、加賀蓮根を使った珍しい和菓子です。蓮根は蓮根餅として食べることができるほど、粘りの強い根菜です。その根菜と、しっとりした羽二重餅の組合せは淡泊ながらも蓮根と餅の良いところを組み合わせた和菓子となっています。また、蓮根は食物繊維やビタミンC、ポリフェノールも多く含んでおり、蓮の実も使用することで健胃効果などの健康に良い作用も期待できる、ざん新な和菓子です。
1個 |
227円(税込) |
6個 |
1,599円(税込) |
9個 |
2,322円(税込) |
日持ち |
10日 |
金沢市武蔵町13-17
TEL 076-221-0336
営業時間 9:00~18:00
・黒糖ふくさ餅(村上)
出典:セレクトショップ
明治44年(1911年)創業。求肥餅と自家製こしあんを黒糖風味の焼皮で包んだものです。焼皮のふんわりした食感と、求肥とこしあんの、もっちりとしてなめらかな舌触りが楽しめる和菓子です。
1個 |
216円(税込) |
5個入 |
1,296円(税込) |
8個入 |
1,998円(税込) |
12個入 |
2,970円(税込)など |
日持ち |
約10日 |
本社店 金沢市泉本町1-4
TEL 076-242-1411
営業時間 8:45~18:00
定休日 元旦
・柴舟(柴舟小出)
出典:joycart101.net
大正5年(1917年)に菓子職人の初代が創業しました。創業当時から変わらず作り続けているのが「柴舟」です。柴を積んだ舟をかたどった、少し反った小判型の煎餅で、うすく白砂糖をまぶしてあり、生姜の風味が効いており、熟練の職人が一枚ずつ、生姜と蜜を合わせたものを塗って仕上げています。ぱりぱりとした硬めの煎餅ですので、歯が弱い方や入れ歯の方は、あらかじめ割ってから口に入れるなどの注意をしてください。
14枚(籠入) |
756円(税込) |
15枚(化粧箱入) |
810円(税込) |
20枚~40枚(化粧箱入) |
1,080円~2,160円(税込 |
日持ち |
約90日 |
本社店 金沢市横川7丁目2-4
TEL 076-241-3548/FAX 076-244-5248
営業時間 8:30~19:00 日・祝 8:30~18:00
定休日 元旦・1月2日
・あんず餅(菓匠高木屋)
出典:和菓子処、菓匠 高木屋
創業は大正14年(1925年)。羽二重餅の中に密に漬けたアンズが入っています。餡は白あんで、オレンジ色の餅と中身の色味がマッチ。冷蔵庫で冷やすと風味が増して、より美味しくなります。
6個入り |
1,080円(税込) |
12個入り |
2,160円(税込) |
日持ち |
4日 |
金沢市本多町1-3-9
TEL 076-231-2201/FAX 076-231-2241
営業時間 9:00~18:00
定休日 水曜日
・きんつば(中田屋)
出典:www.kintuba.co.jp
昭和9年(1934年)創業の比較的若いお店ながら、金沢土産の定番となりました。中田屋のきんつばは、粒あんが嫌いな人も喜んで食べると言われています。きんつばの材料は、能登大納言小豆、丹波寒天などの吟味された素材を使用し、しっとりとした舌触りで、甘さは控えめです。
5個入り 箱 |
918円(税込) |
5個入り パック |
842円(税込) |
6個入り 箱 |
1,080円(税込) |
12個入り~40個入り |
2,181円~7,128円(税込) |
日持ち |
冬季 14日 開封後4日 夏季 10日 開封後3日 |
金沢市元町2丁目4番8号
TEL 076-252-4888
定休日 なし
・豆菓子詰め合わせ(まめや金澤萬久)
出典:ニュースウォーカー
平成21年(2009年)開店の若い和菓子屋。南天・福寿草・うさぎ・招き猫など季節ごとに違う絵柄の、豆の形をかたどった紙箱や紙袋が楽しい、豆菓子が入っています。紙箱と紙袋は、絵作家の中くみこさんが紙箱の図案を手がけ、職人さんによって手書きで絵付けされています。中に入れる豆は有機大豆をいり豆にしたもので、塩味、梅味、黄粉チョコレート、みたらし豆などの豊富な種類が選べます。
豆箱1個 |
864円(税込)~ |
袋タイプ1袋 |
340円(税込)~ |
日持ち |
豆の種類により28日~180日 |
金沢市岩出町八50-1
TEL 076-258-3366
営業時間 9:30~19:00
定休日 不定休
・すり胡麻入り羊羹(箔一)
出典:箔一のオンラインショップ
昭和50年(1975年)創業の金箔専門店が作った、金箔入り菓子の一つ。職人が丁寧に擦った黒胡麻をたっぷりと羊羹に練り込んであります。胡麻は、練胡麻ではなく、すり胡麻で食べたときにシャリシャリとした食感が残り、胡麻の風味が楽しめます。漆黒の羊羹の上に金箔が散らしてあり、目にも楽しい羊羹に仕上がっています。
すり胡麻入り羊羹 1棹 |
1,080円(税込) |
日持ち |
冷凍保存で1か月 解凍後 7日 |
・金箔入金花茶あめ(箔一)
出典:箔一のオンラインショップ
透明の飴に金箔が入っていて、とても美しい飴。金色の椿である金花茶は、長寿と財をもたらす幸運の樹木と言われており、その黄色は強運を呼び幸せをもたらす力があると伝承されています。それにちなんで作られた金花茶あめは、プレゼントにぴったり。口あたりのよい飴なので、どの年代の方にも好まれます。パッケージも凝っていて、七宝をあしらっています。
42g入り |
432円(税込) |
日持ち |
冷暗所保管90日 |
金沢市森戸2丁目1-1
TEL 076-240-8911
営業時間9:00~18:00
定休日 元旦
・ふんわりさくさくふせんべい(今井金箔)
出典:金沢金箔専門店 今井
こちらも明治31年(1898年)創業の金箔専門店の和菓子。さくさくとした口どけの良い麩煎餅に、四角く切った金箔を貼り付けてあります。
6枚入り |
756円(税込) |
日持ち |
120日程度 |
金沢市幸町7-3
TEL 076-221-1990/FAX 076-223-1659
営業時間 9:00~17:30
定休日 日・祝日,年末年始
古都金沢銘菓まとめ
金沢の和菓子をいろいろご紹介して来ましたが、いかがでしたでしょうか。老舗の和菓子店が代々丁寧に和菓子を作ってきたことがよくわかります。どうぞご参考になさって下さいね。
和菓子には、その店舗に行かないと頂くことができないものがあり。職人さんが精魂込めて作る上生菓子です。上生菓子は、量産はできません。繊細な細工が施され、食べるのがもったいないほど美しいものです。ここでは取り上げませんでしたが、金沢を訪れた際には、作りたての上生菓子をぜひお召し上がりください。