福島県は魅力たっぷりな福の島。「福島の観光地なら思い浮かぶけど、B級グルメはよく分からない…」そんな方も来るでしょう。今回は福島県でおすすめのご当地B級グルメスポットをご紹介したいと思います。
福島県のご当地B級グルメ① 円盤餃子
餃子と言ったら、宇都宮、浜松…。そう思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、福島市にはそんな餃子のB級グルメがあります!その名も「円盤餃子」。
そんな円盤餃子は、なぜ生まれたのでしょうか。歴史は戦後すぐの時代にさかのぼります。菅野かつゑさんは、満州鉄道の技師であった夫と満洲に暮らしていました。しかし、敗戦により日本に引き揚げ。戦後まもなくの福島では、貧しい生活が続き、旦那さんが体を壊してしまいます。息子も居たため、なんとか生活をしていかねばならない。
そこでかつゑさんは、現在の福島稲荷神社近くでリヤカーとしちりん、フライパンで餃子のお店をはじめました。かつゑさんは、満洲に居るころ現地の方から餃子の作り方を教わりました。そのころ満洲では水餃子が主流でしたが、教えてくれた現地の使用人たちは、残った水餃子をフライパンに円盤状に並べ、それを焼いていたといいます。それを福島でも作り始めたのが、円盤餃子の始まりでした。
餃子に入れるメインの野菜と言ったら、キャベツが一般的ですよね。しかし、かつゑさんの餃子は白菜、ニラ、豚肉、長ネギ、少しのにんにくとしょうがを入れたもの。今では、「たくさん食べられるように」と、野菜を多めに、豚肉を少なめにしたものが主流。かつゑさんは2010年に103歳で亡くなりました。かつゑさんが始めた円盤餃子は、今では全国的にも有名。
満腹で元祖円盤餃子を食べよう!
そんなかつゑさんの味を今でも味わうことがでるお店が「元祖円盤餃子 満腹」。福島駅周辺や、飯坂温泉駅周辺に多くの円盤餃子のお店が存在します。お店によって、具材や皮、焼き方もそれぞれ。まずは元祖を食べてから、他のお店にも立ち寄ってみてはいかがでしょう。
元祖円盤餃子 満腹
住所:福島県福島市仲間町1-24
電話番号:024‐521‐3787
営業時間:月・木・金 16:30~(餃子が無くなり次第終了)
土・日 11:40~(餃子が無くなり次第終了)
定休日:火・水
福島県のご当地B級グルメ② ブルブル
福島市に住んでいても、知らないという方も来るかもしれません。ブルブルとは、特製のソースで焼いた豚肩ロースを、レタスを敷いたお皿に乗せ、その上から玉ねぎの輪切りをトッピングしたもの。その歴史は、1962年に開業した、わずか7坪の洋食店「レストラン・ブルドッグ」から始まりました。ブルブルは、市内で働くサラリーマンのために、早く作れて、ご飯が進むことから作られるようになったとも。
2019年3月現在、市内の10店舗の飲食店でブルブルを食べられます。今回紹介するのは、サイトウ洋食店。ランチ、ディナー共にブルブルを食べられます。ワインなどアルコールのメニューも豊富なお店なので、ぜひお酒と合わせて味わってみてはいかがでしょうか。
サイトウ洋食店
住所:福島県福島市栄町9-5 栄町清水ビル2階
電話番号:024‐521‐2342
営業時間:ランチ 11:30~15:00(ラストオーダー 13:30)
ディナー 18:00~22:00(ラストオーダー 21:30)
定休日:火曜日
福島県のご当地B級グルメ③ 国見バーガー
福島県でも北部にある伊達郡国見町。四季を通して果物の産地として知られ、2017年には「道の駅国見 あつかしの郷」ができました。そんな国見でできたB級グルメが「国見バーガー」。
国見バーガーは、鯖の味噌煮と野菜がたっぷり入ったメニュー。鯖の味噌煮…?と思った方もいますよね。国見町にある「佐久間商店」では、骨まで食べられる鯖の味噌煮が人気メニュー。同じく国見町にある佐久間パン店のバンズで挟むと、なんと相性ピッタリ!あっさりしていて、とてもおいしいんです。国見バーガーができたきっかけは、東日本大震災でした。東日本大震災は、福島県をはじめ、広い地域に影響を及ぼしました。故郷を離れる人、帰りたくても帰れない状況の人が、まだ多く居ます。
国見バーガーは、道の駅国見あつかしの郷で食べよう
国見バーガーは、2014年、2015年連続で「ふくしまバーガーサミット」で優勝、殿堂入りを果たしています。全25品から選ばれた国見バーガーは、道の駅国見 あつかしの郷で食べられます。現在はメニューも増え、鯖の味噌煮を挟んだ「クラシック」、チーズ入りチキンソースカツ、ホットチリ、とんかつ、フルーツと盛りだくさん。
国見バーガー&ジェラテリア
住所:福島県伊達郡国見町大字藤田字日渡二18-1
電話番号:024‐585‐2132
営業時間:9:00~17:30
定休日:不定休
福島県のご当地B級グルメ④ 三春グルメンチ
滝桜で有名な三春町は、ピーマンの生産量が全国的にも多い街。関東のスーパーで見かけることもありますよね。そんな三春町が平成24年に生み出したのが「三春グルメンチ」です。ピーマンをたっぷり使った三春グルメンチは、ソースをつけなくても味はしっかり。
三春グルメンチの特徴
でも、ピーマンって、独特の苦みがありますよね…。それはポリフェノールの一種「クエルシトリン」が含まれているから。そのクエルシトリンは、高血圧の予防や抗うつ作用に効果あり。
三春グルメンチの特徴は、ピーマンの苦みを感じないこと!ピーマン嫌いなお子さんも多いですが、これなら食べられる!と、小さなお子さんからも、親御さんからも好評。三春グルメンチは、三春町のお肉屋さんで買えるでしょう!また、三春滝桜にも出店しているので、美しい桜を見ながら一緒に食べてみてはいかがでしょうか。
福島県のご当地B級グルメ⑤ ソースカツ丼
会津地方のB級グルメといったら、ソースカツ丼!会津では「カツ丼」といったらソースカツ丼と言われるほどオーソドックスな料理。その起源は様々な説が噂されています。
一つは、大正時代発祥という説。簡単に作れる賄はないかということで、残った肉片をカツレツにし、ウナギのかば焼きからヒントを得て、甘いソースと絡め、食べやすくごはんの上に乗せた、というもの。
二つめは、戦前に起源があるとされる説。市内の食堂の主人が、新しい味を求めて東京からコックを呼び、そこで生まれたのがソースカツ丼だった、という説。
最後が、戦後に普及したという説。戦後まもなく物資が乏しい時代、庶民でも手軽に食べられるごちそうはないかと東京に旅に出ました。そこで見つけたソースカツ丼を、会津に戻ってからリメイク、オリジナルのソースで煮込んだものを作った、という説。
未だに起源ははっきりしていないんです…。現在提供されているソースカツ丼も、レシピもカツの大きさも様々。自分の好きなソースカツ丼を探してみるのもいいですね!
「なかじま」さんのソースカツ丼は絶品
特に、「なかじま」さんのソースカツ丼はほかのレシピとは違う特徴的なメニュー。ソースを絡めただけでなく、卵でとじてあるんです!こんなソースカツ丼を食べられるのは、このお店だけですよ!
なかじま
住所:福島県会津若松市上町2-39
電話番号:0242‐24‐5151
営業時間:11:00~14:30、17:00~20:00
定休日:火曜日
福島県のご当地B級グルメ⑥ カジキメンチ

カジキのメンチ…火を通したらぼそぼそでおいしくなさそう…。なんて感じた方!いわきのカジキメンチはじゅわっとうまみがひろがって、さっくさく!
子どもの顔くらいある大きさが特徴のご当地B級グルメ。スパリゾートハワイアンズでも有名な福島県いわき市。いわきの海は、親潮と黒潮の合流地点。黒潮はマグロのなかまやカツオ、サンマなど、多くの魚たちが黒潮の流れに乗って海を回遊しています。一方親潮は、プランクトンが多く発生するため、それを餌にしている魚もたくさん。
「小名浜美食ホテル」でカジキメンチを堪能しよう!
そんないわき市と言ったら、なんといっても海産物。そして近年B級グルメとして人気を呼んでいるのが「カジキメンチ」です。カジキメンチを提供しているのは、「小名浜美食ホテル」。ホテルと名前がついていますが、宿泊施設ではなくて、海産物やお土産を販売している施設ですよ!
東日本大震災は、福島県沖に大きな影響を与えました。この小名浜美食ホテルも津波の影響を受けましたが、復興をとげ、今では多くの観光客が訪れる場所。カジキメンチは、みなとオアシス第2回Sea級グルメにて優勝しています。
小名浜美食ホテル周辺には、観光地もたくさん!
アクアマリンふくしまに、いわき・ら・ら・ミュウ、灯台、海水浴場、夏には花火大会まで!アクアマリンふくしまでは、先ほどご紹介した親潮と黒潮の流れ「潮目の海」が目玉の展示。子どもはもちろん、大人が見ても「すごいな~」と感心してしまうほどの迫力です。お子さん連れの方も、夏休みの思い出として、ぜひいわき市に旅行に行ってみてはいかがでしょう。その際はおいしいグルメンチを食べることも忘れずに!
小名浜美食ホテル
住所:福島県いわき市小名浜辰巳町43‐9
電話番号:0246‐54‐3409
営業時間:10:00~19:00
定休日:不定休
福島県のご当地B級グルメ⑦ なみえ焼そば
浜通りにある浪江町のB級グルメ、なみえ焼そば。全国的にも有名になりましたね。これまで、2011年B‐1グランプリ姫路大会で4位、2012年北九州大会で4位、2013年豊川大会ではグランプリを獲得。そんななみえ焼きそばは、昭和30年ごろ、働く人々のために作られました。腹持ちがよくて、食べ応えのある太麺と濃厚なソース、具材は豚肉ともやしのみのシンプルな焼きそば。なみえ焼きそばの定義は3つあり、①中華麺の太麺を使う、②具材はもやしと豚肉を基本とする、③ソース味であること、と定められています。地域の方はもちろん、全国的にも知られるようになっていたなみえ焼きそば。原発事故の影響により、閉店・移転したお店も多くあります。
なみえ焼そばを食べるなら「杉乃家」
今回おすすめしたいお店は、福島県中通り・二本松市に移転した「杉乃家」さん。二本松市民交流センター1階に移転したこのお店。施設内に入った瞬間からおいしそうな香りが…。お昼時には並ぶこともあるので注意してくださいね。濃厚で少しぴりっとする味は、もう箸が止まらなくなります!おすすめなのが、お店の方もおすすめしている「七味にんにく」をかけて食べること。スパイシーで一味違った味を楽しめます。
杉乃家
住所:福島県二本松市本町2-3-1(二本松市民交流センター1階)
電話番号:非公開
営業時間:11:00~15:00、17:00~20:00
定休日:月・火
福島県のご当地B級グルメ⑧【浜通り】どぶ汁
「どぶ汁」と聞くと、何のことだか分からない人も多いでしょう。とてもインパクトのあるこの名前、実は「あんこう鍋」のことを指します。茨城県、福島県沿岸でよく食べられるどぶ汁。作り方は、あん肝をまずいためてから、野菜やきのこを入れて、煮込みます。一部地域では、水を加えず、あんこうや野菜からでた水分のみを利用するレシピも。新鮮なあんこうがとれるこの地域ならではの料理ですね。
福島県のご当地B級グルメ⑨【浜通り】うにの貝焼
出典:いわき市のグルメ
いわき市の名物である、うにの貝焼。ホッキ貝の貝殻にうにを乗せ、石窯で蒸し焼きにした料理です。明治時代から続くといわれている料理で、生ではあまり日持ちしないうにを保存するために作られたのが始まりといわれています。日持ちすること以外にも、熱を加えたことで甘みがまし、うにのつぶつぶやふわふわな食感をより味わえます。
観光の際にできたてを食べられるのが、「いわき・ら・ら・ミュウ」です。海産物や加工品が多く販売されており、お土産を買う際にもぴったり。いわき市には、スパリゾートハワイアンズやアクアマリンふくしま、いわき湯本温泉など観光地もたくさん!ぜひいわきのおいしい海の幸を味わってみてください。
福島県のご当地B級グルメ10【中通り】いかにんじん
福島県民の中には、いかにんじんが全国的な料理だと思っている方が居るかも…。そのくらい有名で、なじみのある料理が「いかにんじん」です。ポテトチップスのいかにんじん味が出たことでも有名ですね。名前の通り、スルメとにんじんを醤油やお酒でつけたこの料理。いかにんじんのルーツはわかっていませんが、松前漬けと関係がある可能性は高いとされています。
幕末、松前藩と福島県の梁川藩の領地を移し替える国替えが行われた際、いかにんじんが松前漬けとなったのか、松前漬けがいかにんじんの元となったのかは定かではありません。福島県北部の郷土料理、いかにんじん。お酒にも合うので、おいしい福島の日本酒と一緒にいかがでしょうか。
福島県のご当地B級グルメ11【中通り】ざくざく
中通りにある二本松市の郷土料理「ざくざく」。大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、鶏肉、凍み豆腐、しいたけ…。中に入っている具材は家庭ごとに違いますが、味付けはしょうゆとみりんと塩のあっさりな味、具材は1㎝程のさいの目状になっているのが特徴。
このざくざくは、昔から冠婚葬祭の際に食べられてきました。特に「祭」の時期に食べられるのが一般的になってきた現代。二本松市では、毎年10月に「二本松の提灯祭り」が開催されます。二本松駅周辺の家庭では、お祭りにあわせてざくざくを作るのが一般的。お祭りは大変盛り上がり、夜になってもお囃子が鳴りやみません。年齢、男女関係なく盛り上がるこのお祭りは、地域の小学生はお祭りの日に休校になるほど。地元を離れた大学生や社会人も、この日に合わせて帰省するほど、地域に愛されたお祭りです。屋台ではざくざくの販売もされているので、ぜひざくざくで体を温めながら、幻想的で迫力のある提灯祭りも楽しんでくださいね。
福島県のご当地B級グルメ12【会津地方】鯉の甘煮
出典:出典:Redsun’s – Jugem
かつての会津藩家老が、天明の大飢饉対策を機に考えたのが藩政改革。各家庭に池を作り、そこで鯉を育て、もし何かあった時は食べる。それが鯉料理の普及した理由です。
会津地方の飲食店でよく見かける「鯉の甘煮」ですが、砂糖やしょうゆ、みりん、酒など当時としては高価なものばかり。そのため、冠婚葬祭やお祝いの際に食べられた料理でした。
家庭で作られる機会は減りましたが、会津の旅館や飲食店で提供している場合があります。
会津地方は観光地も多いですし、温泉街もあるので、ぜひ合わせて食べてみてくださいね。
福島県のご当地B級グルメ13【会津地方】こづゆ
出典:みんなのきょうの料理
二本松市のざくざくは、冠婚葬祭の際に食べられてきました。会津地方の冠婚葬祭に欠かせないのが「こづゆ」。こづゆは、ほたての貝柱の出汁を使った料理。糸こんにゃく、豆麩、にんじん、しいたけ、里芋、銀杏、きくらげなどの具材が入っています。会津地方は福島県でも内陸部にあるため、ほたての貝柱など、海産物は貴重な食材。庶民はあまり食べられなかったとも。時代の変化とともに、庶民家庭にも広まるようになり、今では会津を代表する郷土料理。
福島県のご当地B級グルメ14【会津地方】にしん・スルメの天ぷら
会津地方は内陸部。ほたての貝柱や鯉も、海が近くないことで普及した食材です。もうひとつ会津地方で有名なのが、にしんとスルメの天ぷら。内陸部にあるため、新鮮な魚ではなく、身欠きにしんやスルメ、棒たら、昆布などが流通していた会津地方。会津地方でも特に水が綺麗な地域で、その水を使い、にしんやスルメを水につけて戻します。にしんもスルメも、綺麗な水を吸ってふっくらとした食感が戻ります。
会津地方は、蕎麦の産地としても有名な場所。そのため、おいしいお蕎麦とにしん・スルメの天ぷらがセットになっている飲食店も少なくありません。特に、強清水では蕎麦をメインにしている飲食店も多いので、観光の際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
にしんは骨が多いですが、飲食店によっては骨を細かく取り除いていたり、そのままで天ぷらにするお店も。小さなお子さんやお年寄りの方は特に注意してくださいね。
福島県のご当地B級グルメ15【中通り】鯉料理
鯉って食べられるの?そんなことを思った方も来るでしょう。実は、中通りにある郡山市は鯉の生産量が日本一!かつて安積開拓が行われた時代、安積疎流が完成しました。水田ができ、水力発電所ができ、製糸業は紡績業が発達。製糸業や紡績業で使われた蚕。そのさなぎをえさにしていたのが鯉でした。
郡山市は内陸部にあるため、昔は新鮮な魚が流通していなかったんです。そのため、郡山市では鯉の料理が作られるように。
今では市内の飲食店で、鯉のお寿司、鯉のなめろう、鯉のアヒージョなど、和洋問わず様々な料理を食べられます。郡山市は新幹線の停車駅としても、大きな役割を果たしています。福島県に来た際、郡山駅を利用する方も多いでしょうし、ぜひ鯉料理を食べてみてはいかがでしょう。
福島県に行ったら絶対に食べたい!ご当地B級グルメについてご紹介しました。福島県にはたくさんのおいしいものがあること、分かっていただけましたか?観光地だけじゃない、おいしいグルメがたくさんの福島で、心も体もあたたまる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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