北陸を代表する観光地・金沢。兼六園やひがし茶屋街、金沢21世紀美術館に長町武家屋敷跡。金沢城公園を中心に、徒歩圏内に見どころが詰まっています。
歩いて巡れば、当然お腹も減ってきます。金沢には加賀野菜や海の幸、金沢カレーに金沢おでん、さらにはハントンライスと言う他県には全く未知なるグルメも存在します。
そんなグルメに事欠かない金沢での食事なら、やはり近江町市場は外せません。市場ならではの新鮮な鮮魚を使った丼ものや寿司を中心に、ぜひ食べておきたい金沢グルメをご紹介します。
そもそも、近江町市場ってどんなトコ?
JR金沢駅から徒歩15分ほど、ひがし茶屋街や兼六園からも徒歩圏内の場所にあります。また市内を循環する路線バスや、「金沢ふらっとバス」「城下まち金沢周遊バス」など観光客が利用しやすいバスもあるので出かける際にはとても便利です。
出典:ほっと石川旅ねっと
近江町市場の歴史は、実に300年以上!1690年頃に袋町の魚市場が、1721年に犀川口の市場がそれぞれ近江町に移転。併合されて、現在の近江町市場の原型ができあがりました。
出典:いいじ金沢
市民の台所として主婦の味方に、そして飲食店関係者も鮮度のいい魚や野菜などを仕入れに訪れます。近年は、海外からの観光客も目立つようになりました。
近江町市場はまるで迷路!?
市場内には鮮魚通り・青果通り・上通り・中通りなどいくつかの通りが交差し、鮮魚を始め青果・お菓子・衣類など170ものお店が並びます。
さらに、「むさし口」「市姫神社口」「青果通り口」「鮮魚通り口」「買物通り口」「パーキング口」「十間町口」「エムザ口」の8ヶ所の出入り口。
家族やグループなどで出かけた際には、特に人出が多い週末や連休中などは迷子にならないように注意!
また水曜日が定休日というお店が多いので、訪れたいお店がある場合は営業時間と共に事前に確認しておきましょう。
電話番号:076-231-1462(近江町市場事務所)
絶対食べたい!海鮮丼&寿司ならこの店!
出典:食べログ
近江町市場には、海鮮丼や鮨が食べられる飲食店がたくさんあります。お店によっては開店前から行列が出来て、週末などには1時間以上待つことも珍しくありません。
春には穴子、夏には岩牡蠣、秋にはサンマ、冬にはブリやカニ。一年を通して豊かな海の恵みを、お腹いっぱい食べられるのは市場ならでは。もちろん「のど黒」も外せません!
出典:食べログ
いろいろな種類を1度に食べられる海鮮丼に、自分の好きなネタだけをガッツリ食べられる寿司。近江町市場で人気のお店をピックアップしましたので、ぜひ参考にお出かけください!
いきいき亭
出典:135° East
むさし口という入口から入るとすぐの場所にあります。カウンター10席のみで、クチコミでも評価の高いお店でいつも行列が出来ています。
午後になるとネタが無くなることもあるため、出かけるなら開店前からがオススメ。一番の人気メニューは店名の入った「いきいき亭丼」。
出典:KOSUBLOG
ご飯とネタが別々に盛られた2段の丼で、ご飯の量も希望を聞いてくれます。さらに大盛りは無料。
店頭には本日の丼として写真付きで貼り出していて、事前にネタがわかるので便利。ただし無くなれば、ネタが変わる場合も。
井ノ弥
出典:気ままに。 – FC2
こちらも開店前から営業時間中も、常に行列が途切れない有名店。テレビや雑誌でも数多く紹介され、店内の壁には有名人のサインがズラリと飾られています。
常時40種以上の丼ものがあり、その中で人気が高いのが「ちらし近江町」。オーダーが入ってから、ぶ厚く切ったネタをご飯の上に豪快に盛り付けます。
男性でも充分満足できるボリュームですが、「上ちらし近江町」や「ちらし近江町特盛」などネタとご飯が多めのメニューも。
中にはズワイガニやのど黒にウニなど贅沢なネタ、仕上げに金箔をまぶした金ピカ丼も!どの丼ものも、見た目はもちろん鮮度のいいネタの味に驚かされます。
山さん寿司
出典:xaymaca3.com
こちらは朝7:30から営業しているので、朝食に寿司や海鮮丼を食べたい方にオススメです。18種ものネタが立体的に美しく盛られる海鮮丼が一番人気。
出典:クリエイティブモグモグ
乗せ方や色合いなども考えられているようで、崩すのがもったいないほど。金粉も乗せられています。丼に入っていないネタは、握りでいただくというのもアリです!
シャリも醤油も能登産にこだわり、寿司店だけにネタの種類や鮮度もバッチリ!平日の朝でも行列ができるほどなのでカウンターでのんびりお寿司をつまむと言う雰囲気ではないかもしれませんが、この海鮮丼は食べないと後悔する逸品。
こてつ
出典:tabico
エムザ口という入口から入ってすぐという場所にある、カウンター9席のみのお店。旬のネタ14種が美しく盛られる人気の海鮮丼は、お店特製の割り出し醤油でいただきます。
丼のわさびを先に割り出し醤油に溶いて、ネタに掛けて食べるのがこてつ流。箸ではなくスプーンが付いていて、食べやすさも考えてくれています。
出典:b’s mono-log
いろいろ食べ歩きたい方ならミニ海鮮丼もあるので、空腹具合と相談して決めてください。
お店は11:00~15:00と営業時間が短いうえ、ネタやシャリが無くなると早めに閉まることも。出かけるなら、開店前から待つのがベスト。
魚旨(うおうま)
出典:ameblo.jp
魚が旨いと書いて鮨。それを店名にしているからには、旨い魚を提供することに自信を持っている店主。
またシャリや水・酢・醤油など、必要となる素材にはできる限り地物を使うというこだわり。海鮮丼にはその全てが詰まっています。ネタの1つ1つも大きめで、食べ応えも充分。
出典:食べログ
近江町市場丼・特得近江町盛が人気メニューで、メニュー表の写真に偽りなし!丼から落ちそうなほど、ネタがてんこ盛りです。
醤油ではなく、出汁ポン酢にわさびを溶いたものを掛けて食べるスタイルが特徴です。
廻る近江町市場寿し 本店
出典:ゆきふる
職人さんが握る本格的な寿司が、リーズナブルな回転寿司で楽しめちゃう!日本海で水揚げされた魚介を中心に、厳しい目利きによってその日に一番いい素材を仕入れています。
回転寿司だからといって侮れません。石川県産コシヒカリをベースに、寿司に合うように独自にブレンドされたシャリとの相性も抜群。
出典:食で奏でる旅の記憶
もちろん丼もののメニューもあり、のど黒・白えび・ボタンエビなどちょっと贅沢なネタが乗る大名丼はぜひ食べておきたい。近江町市場に3店舗ありますが、本店なら年中無休。
水曜日が休みというお店が多いので、スケジュール的にどうしても水曜日に重なった場合には重宝します。
海鮮丼&寿司だけじゃない!?地元グルメも集結!
近江町市場では、海鮮丼や寿司以外の食も集まっています。いわゆる金沢グルメと呼ばれる地元を代表する食べ物もたくさんあります。
生の魚が苦手な方にも、ぜひ近江町市場での食事を楽しんでほしい!そこで、海鮮丼や寿司以外のグルメもご紹介します。
【金沢おでん】いっぷくや
金沢を代表するグルメとして、雑誌やメディアにもよく紹介されている金沢おでん。寒い時に食べるというイメージのおでんを一年中楽しんでもらおうと、金沢おでん老舗50年会が毎月22日を『金沢市民おでんの日』と定めています。
出典:コラム
そのため、夏には冷製おでんを提供するお店も。他県のおでんと明らかに違うのが、金沢ならではの具材を使ったおでんダネと店ごとに異なる特製のダシ。そんな金沢おでんが気軽に食べられるのが「いっぷくや」。
昆布の旨みが凝縮した塩ベースのダシに、市場内にあるお店から厳選したおでんダネを使用。ダシをたっぷりと吸った車麩や、金沢の伝統料理の1つで蒸した蒲鉾のふかし。そして冬ならではのお楽しみは、カニ面。
出典:ぐるなび
香箱ガニの殻に身や内子・外子・ミソを詰めて、カニのすり身でフタをして蒸したもの。おでんダシを含んだカニの美味しさに、思わず感動!
また甘エビを使ったえび面や、のど黒を使った贅沢なのど黒面などオリジナルのおでんダネや、食感の楽しいバイ貝などもぜひ食べておきたい。
【カレー】カレーのチャンピオン
金沢カレーなるものをご存じでしょうか?名称自体は2005年頃から使われ始めたそうですが、歴史はもっと古いようです。
出典:いいじ金沢
ドロッとした濃厚なルーに、付け合わせのキャベツの千切り。ルーの上にトンカツを乗せ、その上にはソースが掛かっている。お皿にはステンレス製のものを使用し、フォークや先割れスプーンで食べる。
これが金沢カレーの特徴のようで、金沢カレー協会のHPでも紹介しています。素材やスパイスの配合などお店によって異なり、カレーと言ってもその味は多彩。昔からのレシピを守りつつ、時代に合わせて進化し続けています。
近江町市場で味わえるのは、野々市市に本店を持つ「カレーのチャンピオン」。前身の洋食タナカが1961年に創業し、50年以上の歴史があります。1971年からカレー専門店となり、地元ではチャンカレと呼ばれて親しまれています。
一番人気はLカツカレーで、来店者の8割ほどがオーダーするそう。国産赤鶏のむね肉を使った、しっとり柔らかいチキンカツカレーも。魚が苦手な方や、海鮮丼以外も食べたいという方にオススメです。
【ラーメン】中華そば みなと屋
出典:食べログ
フードコートのようにオープンな感じは、女性でも入りやすい雰囲気です。カウンターだけのこぢんまりとしたお店ですが、スープや麺などにこだわる本格的なラーメンのお店。
鶏や魚・昆布に野菜と、十数種の具材を贅沢に使って作る自家製スープ、オリジナルの中細ストレート麺。あっさり目に仕上げたチャーシューに、シャキシャキのメンマ。
出典:xaymaca3.com
絶妙のバランスで仕上げ、しかもお値打ちな中華そばは必食メニュー。昔ながらの中華そばは、初めて食べても何故か懐かしさを感じさせます。麺の固さやこってり具合なども選べ、テーブルに置かれたにんにくチップ・天かす・魚粉で自分好みにアレンジも可能。
さらにはカニ香味ラーメンやカニあんかけラーメン、石川の銘酒「農口」の酒粕を使った加賀酒粕ラーメンなど金沢に因んだメニューも。散策の合間や、ちょっと小腹が空いた時など気軽に立ち寄れるお店です。
【うどん】百万石うどん近江町本店
近江町市場内の大口水産が経営し、市場関係者もよく利用するお店。店内はカウンター席のみ。昆布や鰹節など厳選した素材で毎朝作るダシに、自家製の手打ち生麺。
湯がき立てで提供される麺は、ちょっと太めでやや丸みを帯びています。ツルツルとしてのど越しが良く、噛むともっちりしているのが特徴。
具がいなり(油揚げ)とネギの「いなりうどん」は、そのシンプルさがダシとうどんの美味しさがよくわかるメニュー。店名にもなっている「百万石うどん」は、海老天と茄子をはじめとした季節の野菜天ぷらが入ったもの。
出典:まちのり
はじめての来店なら、まずはこのメニューをオーダーしてみましょう。ほかにもカレーうどんやあんかけうどん、そばや丼ものなどうどん以外のメニューもたくさんあります。
さらに、冷やしうどんやざるうどんなども。ご飯ものと麺類とどちらにしようか悩んだら、百万石うどんへぜひお出かけください。
【能登牛】能登牛 たくみ
出典:食べログ
能登牛は、石川県内で肥育された黒毛和種のブランド牛。年間出荷頭数が1000頭にも満たないと言われ、ほぼ県内でしか流通していないレア度の高い牛肉。
和牛オリンピックで特別賞を受賞したこともあり、そのとろけるような食感は石川県を訪れたならぜひとも体験していくべき。「能登牛 たくみ」では、そんな貴重な能登牛を炙り寿司や串焼きでいただくことが出来ます。
出典:食べログ
のれんから顔を出す、金色に輝く牛のオブジェが目印です。A4ランク以上のものを厳選し、串焼きは1本1本丁寧に手刺し。炙り握りや鉄火巻き・軍艦巻きなどに使用する米は、石川県産のコシヒカリ。
極上の能登牛を使っているので、それなりのお値段はします。気軽にサクッと食べる、と言うわけに行かないかもしれませんが、食べてみる価値は充分にあります。口の中で溶けていくような柔らかくしっとりとした食感を、ぜひ確かめてみてください。
食べ歩きにピッタリのワンハンド&お気軽グルメ!
近江町市場に来たら、1食だけではもったいない!たくさん歩いてお腹を空かせて、食べ歩きも楽しみましょう。
気軽に味わえるワンハンドグルメや、店先で購入してその場で食べられる海鮮や串焼きなど魅力的な食べ物がたくさんあります。
いい匂いにつられて思わず買いたくなる、そんなとっておきのグルメをご紹介します。
世界の食品ダイヤモンドの「近江町コロッケ」
出典:プレイライフ
世界の食品ダイヤモンドと、系列のダイヤモンドLⅡで販売されているコロッケ。毎日行列が出来るほどの人気ぶりで、その秘密は美味しさと種類の豊富さ。
出典:ドモドモコーポレーション
揚げたてアツアツを食べられるのはもちろん、甘エビやカニなど市場で仕入れた素材をふんだんに具として使用。贅沢なのに手頃な値段で食べられるのが魅力。
海鮮焼き大松水産 旬彩焼(しゅんいろどりやき)
大松水産の店頭に、テーブルと椅子を置いて飲食スペースとして提供。水産会社直営なので、鮮度や品揃えも申し分なし!
ホタテやハマグリ・カキなど旬の貝類や魚など、その場で焼いて食べることが出来ます。もちろんビールも忘れずに。
出典:Twitter
手頃なミニサイズの丼ものもあるので、ちょっとだけ食べたい時にも便利。賑わう市場内の雰囲気を背中に感じながら海の幸に舌鼓を打つなんて、この店ならではの楽しみ方です。
金沢大地たなつやの「じろあめソフトクリーム」
出典:珍妙雑記帖
自社農場で無農薬・化学肥料不使用で栽培した、米や麦・大豆などの穀物を販売するお店。この店の名物「じろあめソフトクリーム」は、穀物由来のじろあめと玄米甘酒を使って優しい甘さに仕上げたソフトクリーム。
砂糖や人工甘味料不使用で豆乳をベースにしたソフトクリーム、国産小麦を原料として無着色で仕上げた専用のコーンを使用するなど随所にこだわりが見えます。健康志向の女性にピッタリです。
のざきの焼魚の「どじょうの蒲焼き」
出典:8月18日の風
「のざきの焼魚」の店先で販売しているどじょうの蒲焼き。金沢では、蒲焼きと言えばウナギと並んでどじょうもポピュラー。
1匹を3等分にカットして串に刺し、秘伝のタレをしっかりと纏わせて炭火でじっくりと焼き上げています。
香ばしく、少し苦みのある大人の味。どじょう1匹が、ウナギ1匹に相当すると言われるほどの栄養素を含むスタミナ食。ほかにもいくつかのお店で扱っているので、食べ比べてみても面白いかも。
忠村水産
出典:食べログ
店先に並べられたガラスケースの中には、ウニやカキ・ボタンエビ・ホタテ・アワビなど旬の魚介類がたくさん詰まっています。そして「この場で食べられます」の札が付けられています。
自分で選んで、その場で食す!新鮮なものを、鮮度の落ちないうちに味わえる醍醐味を楽しんでください。
出典:食べログ
オススメは肉厚で大きめのホタテの貝柱と、プリップリのボタンエビ。テーブルには醤油やポン酢などの調味料も置かれています。食べたいものがササッと食べられるので、待ちたくない方にオススメです。
金沢の食が集結する近江町市場。そこは、海の幸だけでなく金沢ならではの地元グルメも味わえる魅惑の場所。
歩くだけでも充分楽しいのですが、やはり食べてみないと始まらない!出かけるときには事前にお店のリサーチをしっかりとして、体調を万全に整えて挑みましょう。
※営業時間や定休日・料金などは、お出かけ前に各店舗へご確認ください。
※漁の状況や旬の時期により、味わえないグルメも。