道民おなじみのべこ餅をみなさんご存じでしょうか?北海道では5月の端午の節句に、祝い菓子として「柏餅」や「ちまき」ではなく、べこ餅を食べる風習があります。
小さい頃によく食べたこともある、という方も多いのではないでしょうか。おやつとしても子供たちに大変喜ばれますね。今回は北海道から愛される”べこ餅”の魅力に迫ります。
べこ餅とは?
そもそもべこ餅とはなんのことを指しているのでしょうか?
上述したように祝い菓子の一種で、5月の端午の節句時に食べます。中には、5月の端午の節句時以外のお祝い時、例えば冠婚葬祭や正月なども食べる風習が、松前、江差周辺ではあるそう。
見栄えとしては、主に木の葉の形をしたツートンカラー(黒か茶&白)の餅で、表面に葉脈の模様が特徴的。しかし、道南を中心に種類は様々。中には、単色だったり、色に緑が混じっていたり、松前町だと、餡子を入れた”あんべこ”餅も存在します。
もう少し色に関して掘り下げると、色の由来は、黒や茶は黒糖から、緑色はよもぎ入りからきています。模様の付け方もワンパターンではなく、線に合わせたり、マーブル状にしたり、ランダムに入れたりと多種多様に変化するところに遊び心を覚えますね。
また、形ですが、木型で作った木の葉が一般的ですが、木型を使わない独自の木の葉型をもしているケース、さらには形がそもそも木の葉ではないケースも。
そんな、べこ餅はどうやって作られるのでしょうか。
材料としては、白玉粉もしくは上新粉と片栗粉、砂糖、黒砂糖、水を基本的に使用して作られます。加えて、緑色に染めたい時は別途よもぎの準備が必要です。
作り方はクックパッド(べこ餅)の作り方をみてくださいね。
べこ餅の名前の由来は?
そもそも名前の由来からご説明すると、諸説あるため、箇条書きでお伝えします。
①白と黒のホルスタインの色に近いから牛を意味するべこ餅とする説
②生地をカットする前の姿や色合いが牛の姿に似ているからべこ餅とする説
③黒糖を使っているので、“べっ甲”のような半透明な色合いから“べっこう餅”から派生した説
④米が貴重な時代粉々の”べいこ”を使用して作られたため”べいこ餅”から派生した説
①はホルスタイン説ですが、結論をいうとホルスタイン導入前よりべこ餅があるため時系列的にあいません。
というのも、札幌札幌農学校(現北海道大学)がホルスタインを導入したのが明治20年初期、民間での導入は明治後期ですがべこ餅はそれ以前にも存在しているためです。しかし、他の説のどれが、正しいかは、正直今でもわかっておりません。
べこ餅の発祥は?
発祥ですが、江戸時代から明治時代まで北前船で伝承された、くじら餅から派生したという説があります。くじら餅とは、渦巻状のかまぼこ型をカットしたもの。べこ餅と、製法もほぼ変わりません。それが、北海道で独自に進化して、独特の木の葉型になったのだとか。
理由としては、道南、特に松前町・江差町・上ノ国町といった道内でも歴史ある3町で、べこ餅と似たカタコモチ、クジラモチが共存すること、青森県でも形は異なるものの、べこ餅という名のものがあることの3点が裏付けとなっているようです。
以上簡単にご説明いたしましたが、北海道独自の木の葉の形をしたべこ餅を今後も大事にしていきたいですね。